先日、3歳の男の子がマンションの9階から転落して亡くなってしまったという報道に触れました。

高層階からの転落に限らず、誤飲による窒息、ひも・コード類による窒息など、日常生活を送るうえで、お子さんの事故の可能性はあらゆるところに潜んでいます。

不幸な事故が発生した場合、「自分が目を離さなければ、こんなことには……」と、ご両親が負い目を感じます。

また、親族や周囲の人たちから「なんでしっかり見張っていなかったんだ!」、「子どもをおいて出かけるなんて信じられない。」などと、叱責されてしまうことも多いと思います。

今回は、弁護士である筆者が、お子さんの高層階からの転落事例を例として、親の責任はどこまで問われるのか、どうやったら事故を防げるのかという点を解説したいと思います。

木川



■お子さんの転落事故に対する親の責任

ママが専業主婦でずっとお家にいるとしても、お子さんから片時も目を離さずにいる、ということはなかなかできません。

また、子どもは大人の常識では予測不可能な行動を取ることも多いです。

しかも、好奇心に任せて高所のベランダから身を乗り出したり、ベランダの手すりにぶら下がって遊ぶなどの行為を行うのは、あくまでもお子さん本人です。

ですから、両親が、子どもが転落しても構わない、むしろ、すすんで踏み台になるものが多いベランダで危険な遊びをさせていたというような極端な事例でない限り、ご両親は法的責任を負いません。

したがって、通常、「子どもの事故における親の責任」といったときの責任とは“道義的責任”を指します。



■再発防止に本当に必要なものは?

日本では、子どもの事故や不祥事に対する親の責任を追及するとき、“法的責任”と“道義的責任”を分けずに報道・コメントがされることが多いです。

しかし、この点を分けずに話をしても議論をしてもかみ合わないどころか、再発防止に役立たない場合もあります。

再発防止策の検討に何より大切なのは、「どんな状況で、どうして起こってしまったか」などの情報を共有することです。

万が一、転落事故が起こってしまった場合は、警察や行政機関に連絡してください。

2度と不幸な事故が起きないよう、情報を共有し、企業が施策・製品を製造・改良できるようにしましょう。
■転落事故をなくすためにできる対策4つ

お子さんの予測不可能な行動を完全に防ぎきることはできません。

それを認めた上で、物理的・心理的に安全対策をすることが重要です。



(1)手すりが高い物件を選択

お子さんが高層階から転落することを防止するためには、まずはベランダの手すりが高い部屋を選ぶことが大切です。

もっとも、ベランダの手すりは通常1.1m〜1.5m程度ですから、お子さんが成長するにつれ、少し踏み台になるものがあればすぐに乗り越えられてしまいます。

なので、これだけでは完全に転落事故を防止することはできません。



(2)補助鍵の使用

そこで、お子さんが窓を開けてベランダに出られないように、窓に補助鍵を付けることも有効です。

補助鍵も、取り外し可能なタイプのものが1,000円〜2,000円くらいで買えますので、こちらを選ぶといいでしょう。



(3)お子さんを高所平気症にさせない

最近は高層マンション・タワーマンションが増え、生まれたときから高い所で暮らすお子さんが増えたことから、お子さんが高い所に居ても恐怖を感じにくい、高所平気症である場合も多いようです。

お子さんは、自分の目で見える高さを基準にして、その場所が危険であるという感覚を身に着けていくようですので、あまりにも高い場所では危険であるとの認識を持てなくなってしまうみたいですね。

そのため、上記2つの物理的な防止策を取った上で、ベランダはお子さんが出てはいけない危険な場所であることを口を酸っぱくして教えることも効果的でしょう。



(4)ベランダに物を置かない

ベランダに足場となるような物を置かないことも重要です。

エアコンの室外機がベランダにある場合、室外機を足掛かりにしてしまうことがありますから、注意が必要です。



しっかりとした対策を取り、リスクを回避しておけば、そうそう事故は起こりません。

しかし、万が一、何かがあった時、目を離したご両親を叱責・非難するばかりでは何も生産性がないことを、しっかり認識する必要がありますね。


引用元:
後を絶たない転落事故…再発防止に必要なのは、「親の注意」だけじゃない!(It Mama)