◇社員登用、育休取得 働きやすさPR材料に

 4月に施行された女性活躍推進法を受け、国や県に女性が働きやすい職場として認定される企業が増えている。女性が活躍する企業は業績が高いという内閣府の調査結果もあり、今後の広がりが期待されている。(生田ちひろ)

 厚生労働省が始めた「えるぼし」制度では、平和堂(彦根市)が7月、県内で初めて認定された。



 計画を届け出た企業で実績があれば申請でき、勤続年数の男女差や女性管理職比率など5項目を評価。基準を満たした項目数により3〜1段階で認定され、広告や商品、求人票などに「えるぼしマーク」=イラスト=を使える。6月までに全国105社が認定されている。

 平和堂は第2段階の認定。社員3377人(男性2416人、女性961人)で、女性の平均勤続年数が基準(男性の7割)を上回り、女性の非正規社員を正社員へ登用し、過去の在籍者を再雇用している点などが評価された。

 こうした多様なキャリアコースがなければ「辞めざるを得なかった」という声も寄せられており、今後、第3段階の認定を目指す。担当者は「採用の現場では育休後の継続雇用やキャリア形成の関心が高く、会社のアピール材料にもなる」と説明している。

税の優遇も 仕事と育児の両立支援に積極的な企業を認定する同省の「くるみん」制度では県内40社が認定されている。

 柔軟な勤務体制などの導入目標を盛り込んだ行動計画を達成し、女性の育休取得率が75%以上などの条件を満たした企業が対象。より基準の厳しい「プラチナくるみん」では「男性の育休取得割合が13%以上」などの条件が加わる。



 プラチナでは5月に滋賀銀行(大津市)と自動車部品製造業の古河AS(甲良町)が県内で初めて認定された。おくるみに包まれた赤ちゃんが王冠をかぶったマーク=イラスト=を使用でき、税制上の優遇措置も受けられる。

 県も昨年6月から「女性活躍推進企業認証制度」を開始。「過去3年間での育休取得率」など32項目の達成数に応じて一つ星(5以上)、二つ星(17以上など)、三つ星(26以上と女性管理職比率30%以上)を認証する。

 現在一つ星が29社、二つ星が23社。建設や医療福祉などを手がける企業が認証されている。

 ただ、三つ星はまだゼロで、県女性活躍推進課は「管理職まで勤めた女性の絶対数が少ない。それでも、申請の相談を寄せる企業もあり、そう遠くないうちに三つ星企業は出るはず」と期待している。

業績に好影響 内閣府男女共同参画局は、これまで白書の特集で、役員会の女性比率が高い企業は業績が良いという欧米の調査を公表。2004〜07年の1人当たり経常利益の上昇幅について、両立支援と公平な評価制度を行う企業は上昇幅が大きい傾向があるという内閣府の調査も紹介している。

 同局は「女性が活躍できる企業風土が業績に良い影響を与えている」と分析。女性の活躍を支えることで、全ての人が働きやすい組織づくりにつながることも期待され、「多様な能力をいかし、新たな付加価値を生み出す」としている。


引用元:
女性が輝く企業に太鼓判 県や国認定広がる (読売新聞)