「助産師じょさんし」という言葉ことばの通とおり、お産さんを助たすける仕事しごとです。赤あかちゃんが生うまれる時ときだけでなく、おなかにいる間あいだの健診けんしんから生後約せいごやく1年ねんまで、お母かあさんをサポートします。東京とうきょうの助産院じょさんいんの院長いんちょう、横塚夏奈よこつかかなさんに聞ききました。【田嶋夏希たじまなつき】


母ははと子この健康けんこうを守まもる

 助産師じょさんしの主おもな仕事しごとには、妊娠中にんしんちゅうの健康けんこうチェック、お産さんに付つき添そって赤あかちゃんを取とり上あげる、出産後しゅっさんごの母子ぼしのサポートなどがあります。

 妊娠中にんしんちゅうの健診けんしんでは、超音波ちょうおんぱでおなかの赤あかちゃんの様子ようすを調しらべたり、赤あかちゃんが順調じゅんちょうに育そだっているかを確認かくにんします。横塚よこつかさんは1時間じかんもかけて、妊婦にんぷさんとコミュニケーションをとります。「体からだに不調ふちょうはないか、心配しんぱいなことをさりげなく聞きくように心こころがけています」

 お産さんには心こころの安定あんていも重要じゅうようだと考かんがえる横塚よこつかさん。足あしのマッサージや足湯あしゆをしてリラックスしてもらいます。安全あんぜんなお産さんのために、妊婦にんぷさんの体重たいじゅうが増ふえすぎないよう指導しどうし、生活せいかつや食事しょくじのアドバイスもします。

命いのちを預あずかる

 横塚よこつかさんの働はたらく助産院じょさんいんでは、月つきに2回かいほどお産さんがあります。お産さんは夜始よるはじまることが多おおく、赤あかちゃんが生うまれそうだという連絡れんらくを受うけると、自宅じたくから急いそいで仕事場しごとばにかけつけます。でも、すぐに赤あかちゃんが生うまれるわけではありません。数時間すうじかんから半日はんにちほどかけて徐々じょじょに赤あかちゃんが出でてきますが、その時とき、妊婦にんぷさんには陣痛じんつうというおなかの激はげしい痛いたみがあります。妊婦にんぷさんの様子ようすを見みながら、楽らくな姿勢しせいに体勢たいせいを変かえたり、痛いたみを和やわらげるマッサージをしたりしながら付つき添そいます。

 いよいよ生うまれそうになると、妊婦にんぷさんに力ちからの入いれ具合ぐあいを指示しじし、赤あかちゃんの頭あたまを支ささえながら取とり上あげます。赤あかちゃんが出でてきてもまだ安心あんしんはできません。元気げんきに泣なかない時ときには、体温たいおんが奪うばわれないようにタオルで包つつみながら、背中せなかをさすり呼吸こきゅうを促うながします。時ときには空気くうきを送おくり込こむ装置そうちも使つかいます。

 大仕事おおしごとを終おえた妊婦にんぷさんも、大量たいりょうの出血しゅっけつがないかどうかなど丁寧ていねいに確認かくにんします。生うまれたての赤あかちゃんは状態じょうたいが変かわりやすいので、よく見みて普通ふつうに退院たいいんできるかを判断はんだんします。お産さんが初はじめてのお母かあさんには、おむつの替かえ方かたや、抱だっこや授乳じゅにゅうの仕方しかたなどを指導しどうし、退院後たいいんごの生活せいかつがスムーズに進すすむように指導しどうもします。

喜よろこびの多おおい仕事場しごとば

 正常せいじょうなお産さんの場合ばあい、妊娠中にんしんちゅうの健診けんしんや、お産さんの手助てだすけを助産師じょさんしだけで行おこなうことができます。助産院じょさんいんを開業かいぎょうすることもできるし、他ほかの医療現場いりょうげんばと違ちがって喜よろこびがあふれる場ばで仕事しごとができるので、自分じぶんの性格せいかくに合あっていると考かんがえて助産師じょさんしになった横塚よこつかさん。「赤あかちゃんを産うんだ後あとのお母かあさんの輝かがやくような顔かおを見みた時ときや、1か月健診げつけんしんに来きた赤あかちゃんがふっくらとよく育そだっている様子ようすを見みるとうれしくなります」と話はなしてくれました。

やりがい・いいこと

・出産後しゅっさんごのお母かあさんの充実じゅうじつした顔かおを見みたとき

・また赤あかちゃんが欲ほしい、ここで産うみたいと言いってくれたとき

大変たいへんなこと

・出産しゅっさんは夜よるが多おおく、いつ呼よばれるか分わからないこと

・お産さんをサポートする医師いしや保健ほけんセンターの人ひととのつながりを常つねに密みつにしておくこと

この仕事しごとにつくには

 看護師国家試験かんごしこっかしけんに合格ごうかくした後あとに、助産師養成じょさんしようせいのための学校がっこう(大学だいがくや短大たんだいや専門学校等せんもんがっこうとう)に通かよい、助産師国家試験じょさんしこっかしけんを受うけて合格ごうかくする必要ひつようがあります。助産師養成課程じょさんしようせいかていのある大学だいがくを卒業そつぎょうすれば看護師かんごしと助産師じょさんしの受験資格じゅけんしかくを両方得りょうほうえられるなど、ルートは複数ふくすうあります。助産師じょさんしになれるのは女性じょせいのみです。

 ◆プロフィル

「八千代助産院やちよじょさんいん おとわバース」院長いんちょう 横塚夏奈よこつかかなさん

 1975年愛知県生ねんあいちけんうまれ。2001年ねんに大阪大学大学院医学研究科保健学専攻修了後おおさかだいがくだいがくいんいがくけんきゅうかほけんがくせんこうしゅうりょうご、助産師じょさんしとして虎とらの門病院もんびょういんに勤務きんむ。助産所じょさんしょや総合病院そうごうびょういんの産婦人科さんふじんかなどに勤務きんむした後あと、2012年ねんより八千代助産院やちよじょさんいんおとわバースで院長いんちょうを務つとめる。5児じの母はは。


ある日ひの1日いちにち(例れい)

 8:45 出勤しゅっきん 妊婦にんぷさんの健診けんしんなど

17:15 仕事終了しごとしゅうりょう。帰宅きたく

22:00 担当たんとうする妊婦にんぷさんから陣痛開始じんつうかいしの電話でんわ

23:00 助産院到着じょさんいんとうちゃく、妊婦にんぷさんの様子ようすを見みる

 2:00 お産準備さんじゅんび。妊婦にんぷさんに付つき添そいマッサージなど

 4:30 赤あかちゃん誕生たんじょう。母子ぼしの経過けいかを観察かんさつ

 7:00 帰宅きたく


引用元:
助産師(毎日小学生新聞)