出産が近くなってくると、陣痛ってどれだけ痛いんだろう……と、とても不安になりますね。

今は無痛分娩や和痛分娩のように痛みを緩和しながらの出産方法もありますが、無事に赤ちゃんが生まれて安心したのもつかの間、実は出産後のママにはいくつかの痛いことが待っています。

それは、“乳房の張り”と“会陰(えいん)切開の痛み”、そして“後陣痛”です。

「出産ってこんなに痛いことばかりなの!?」とショックを受けないためにも、出産後に起こるさまざまな変化について、正しい情報を得ておくことはとても大切です。

そこで今日は、その中のひとつである“後陣痛”について説明します。

城所

■後陣痛ってなに?メカニズムは?

子宮はもともと、鶏の卵くらいの大きさです。それが妊娠して赤ちゃんが大きく育ってくると、ママの胃を圧迫するほど大きく引き伸ばされることになります。

そして赤ちゃんが産まれたあとは、大きくなった子宮がまた元の大きさに戻るためにどんどん縮んでいくわけです。

子宮が縮むということは、赤ちゃんを産み出すときの“陣痛と同じしくみ”なのですね。ですから、お産が終わっても陣痛のようにお腹が痛むのです。

初産婦さんよりも経産婦さんの方が、以前にも妊娠を経験し子宮が大きくなっている分、伸び縮みがスムーズなので、それだけ痛みを強く感じることになります。
■後陣痛はナゼ「良い痛み」とされるのか?



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後陣痛は“良い痛み”だと言われます。痛みに耐える側としては、良いと言われてもちっとも嬉しくありませんよね。

それでも、あえて“良い痛み”だと言われるのには理由があります。

妊娠中、胎盤は子宮の壁にしっかりと張り付き、酸素や栄養、免疫など赤ちゃんにとって大事なものを受け渡しています。

人によってもちろん差はありますが、胎盤の大きさは直径がおよそ20cm程度、重さはだいたい500〜600gあります。

赤ちゃんが産まれてしばらくすると、自然に子宮壁から剥がれ始め、胎盤がすべて出終ったところで分娩終了、ということになります。

ちなみに母子手帳に記載されている“分娩所要時間”とは、陣痛が10分間隔で規則的に始まってから、胎盤が全て出きったところまでの時間をいいます。

さて、直径20cmもの胎盤がごそっと子宮の壁から剥がれたところを想像してみてください。

その部分がまるごと“傷”になっています。ただでさえ、血管も豊富で血液がたくさんやりとりされていた場所なので、そこからの出血が多いのは容易に予測が付きますね。

その出血を止めるために傷を小さくしようと、子宮はぐんぐん縮んでいきます。それが“後陣痛”です。

子宮が縮まないと出血が多くなり、大変なことになってしまいます。そのため、「後陣痛は“良い痛み”」だと言われているのです。



■「授乳」で痛みが強くなる?

赤ちゃんがおっぱいを吸うと、“オキシトシン”が分泌されます。

オキシトシンには子宮を収縮させる作用がありますから、授乳により後陣痛が強く出ることもあります。

あまりにもつらい場合は、一旦授乳をお休みすることもあります。

後陣痛は子宮がきちんと縮まってくれれば必ずおさまるものですから、たとえお休みしたとしても、あまり気にしないようにしましょう。

短期間のことですし、よくなったらたくさん母乳を吸わせてあげれば良いのです。



■我慢しないで、痛み止めを飲んでも大丈夫

一般的には、痛み止めが処方されます。病院で処方される薬ですから、母乳には影響はありません。

“痛み”は最も強くストレスを感じる原因になります。産後は疲労や寝不足、そして痛みでお母さんの身体はヘトヘトになっていますから、ガマンせずに薬を飲みましょう。

また、湯たんぽなどを利用して、腰やお腹をあたためるのも効果的です。



いかがでしたか?

何も知らずに出産に臨むより、その後の自分の身体の変化を知っておけば、どう対処すべきかが分かって安心です。ほとんどの場合、後陣痛は出産後数日で治まっていきます。

産後、自宅に帰ってからも長期間痛みが続く場合は他に原因があることも考えられますから、必ず医師に相談しましょう。


引用元:
産後も痛いことが待っている!? 「後陣痛」に授乳が関係している理由とは(It Mama)