どんどん気温も上がり、水虫の悩みを抱える人にとってはうっとうしい時期でもある。男性に限らず、ブーツをはく女性も悩む人が多い。「水虫は治らない」と言われることもあるが、専門家は「有効な薬はたくさんある。治すことは可能です」と断言している。

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 ◆まずは皮膚科


 水虫は白癬(はくせん)菌というカビが引き起こす感染症。水疱(すいほう)ができたり、かゆくなるなどの症状がでるが、かゆみを訴えるのは水虫患者の10人に1人で、自覚症状がないことが多い。湿度と気温が高くなる春ごろから症状が出始め、秋には症状が治まるというサイクルを繰り返すケースが多い。水虫は、5月の後半に調べると日本人の5人に1人に見られるという。

 帝京大学医学部皮膚科の渡辺晋一教授は「日本では靴下と靴を履くようになった戦後増えました。サンダルで過ごすことが多い東南アジアでは、今も水虫になる人は少ないです」と話す。

 水虫になってしまったらどうすればいいのか。渡辺教授は「『水虫がかゆい』といって受診する人の3分の1は、湿疹やあせもなど、水虫以外の患者さんという調査もあります。まずは信頼できる皮膚科専門医で顕微鏡による診断を受けることが重要です」と強調する。

 水虫と診断を受けたら、塗り薬を最低1カ月間、毎日塗らなければならない。その際、足の裏全体と指の間にまんべんなく塗ることが大切だ。「かゆいところだけに塗ったり、2週間ほど塗ってかゆみがなくなったら治療を止めてしまうなどすると、足の裏の角層などに菌が残ってしまい、翌年には再発します」と説明する。中途半端な治療は禁物だ。

 ◆バスマット



バスマットも要注意!(イメージ)

バスマットも要注意!(イメージ)

 水虫はどこで感染するのか。渡辺教授によると、公共浴場やサウナのバスマットには、ほぼ間違いなく白癬菌が付いているという。銭湯などを利用したときは、「湿度が高いと菌が繁殖しやすくなるので、靴下をはく前によく足を乾かすといいでしょう」とアドバイスする。家族間で感染することも多いので、感染した人がいたらバスマットやスリッパは共用にしないなどの注意が必要だ。

 足を清潔に保つのはもちろんだが、ナイロンタオルや軽石でゴシゴシこすって洗うこともしない方がいい。小さな傷が付いてしまうためだ。「足に白癬菌がいても、湿度90%の環境で24時間以上皮膚に付いていないと感染しません。ですが、足に傷があると12時間ほどでも感染してしまいます」と説明。せっけんを泡立て、手でなでるように優しく洗うことを勧める。

 ◆爪白癬は長期戦

 足の爪に水虫ができる爪白癬は、従来は飲み薬しか治療法がなかったが、平成26年に塗り薬の「クレナフィン」が発売された。1日1回、爪に塗る。塗り薬なので全身性の副作用が起きる危険性が低いというメリットがある。2種類目の爪白癬の塗り薬「ルコナック」も発売された。

 ただ、足の爪はすっかり生え替わるのに1年以上かかるので、長期間にわたる治療が必要だ。

 水虫は治っても再感染することは多い。渡辺教授は「水虫が完治しても、同居している家族が感染したままだと、またうつってしまうことがあります。水虫の治療をするのであれば、家族全員で同時期に行うといいでしょう」と話している。(櫛田寿宏)


引用元:
裸足になるのが怖い?水虫 有効薬多い、家族そろって徹底した治療を (産経新聞)