函館中央病院に20年あまり助産師として勤務し、主に産後の育児支援を担当してきた笠原視砂子(みさこ)さん(45)が1日、妊婦や出産後の母親がいる家庭を訪問して悩みを聞き、相談に応じる「かさはら母乳育児助産院」(函館市本町)を開院した。「病院とは違った環境で自由に動き、育児の手助けをしたい」と独立を決断。同病院を7月末で退職した。妊婦健診や分娩(ぶんべん)は行わない。

 笠原さんは滝川市出身。高校の保健体育の授業で見た生命誕生の映画に感動して助産師を志した。北大医療技術短大専攻科助産学特別専攻を卒業後、1992年に函館中央病院で勤務を始めた。2005年の出産を経て、主に助産師外来で育児支援の仕事を担当。妊婦や産後の母親のためのヨガも指導してきた。

 助産師が出張して母親の相談に応じる形の助産院は、函館では初めてという。予約を受けた家庭を訪問し、「赤ちゃんの体重が順調に増えているかどうか」「母乳の出を良くするには」など、さまざまなアドバイスを行う。自宅のリラックスした空間で話をし、普段の暮らしぶりを見ることで、より的確なアドバイスができるという。

 また、産後4週間以内の人向けには、通常1時間に設定している訪問時間を2時間にして、じっくり指導できる「お祝い訪問」も行う。体の回復途中の母親が病院まで足を運ばなくても、アドバイスが受けられるようにする狙いという。

 笠原さんは、近年の母親を取り巻く環境について「少子化の現代は赤ちゃんに接する機会が減り、生まれて間もない赤ちゃんの様子を知らないまま、初産に臨む女性も少なくない。子どものささいな変化を不安に感じている母親がとても多い」と指摘。「インターネットで情報は氾濫する一方、実体験は少なく、みんな悩んでしまう。せっかく育児をする機会に恵まれたのだから、もっと気持ちを楽に、楽しく育児ができるようにお手伝いをしたい」と抱負を語る。

 訪問は、月・水・木曜日の午前9時〜午後6時、土曜日の午前9時〜正午。1時間3千円(旧函館市内。遠方の人は出張料相談)。「お祝い訪問」は2時間5千円。予約や問い合わせは笠原さん(電)080・3292・1081へ。ホームページはhttp://kasaharabonyuikuji.wix.com/home(内田晶子)



引用元:
育児の悩み、自宅で相談 出張専門の助産院開院 函館の笠原さん(北海道新聞)