英国の男性の10人に1人、女性は8人に1人が、少なくとも一時的に不妊を経験しているが、医療機関を受診するのは男女とも半数程度にとどまることが、英ロンドン大などのチームの研究で明らかになった。




 不妊症に関する実態調査は医療機関を通じて行われることが多いため、受診しない人の割合が明らかになるのは珍しい。受診行動の違いの背景には、社会経済的な格差もありそうだという。




 チームは、2010〜12年に英国で行われた性行動に関する大規模調査に参加した16〜74歳の男女計約1万5千人の回答を分析した。




 避妊をせずに子どもを持とうとしたが1年以上にわたって妊娠しないことを不妊と定義した上で、その経験があると答えたのは男性の10・1%、女性の12・5%に上った。不妊の経験者が多い年齢層は、男性は35〜54歳、女性は35〜44歳。




 不妊経験者のうち、医療機関を受診した男性は53・2%、女性は57・3%と半数強だった。




 不妊の経験や受診行動と関連する要因を分析したところ、男女とも学歴が高く収入も比較的安定している、親になった年齢が遅いなどの特徴がみられた。そうした傾向は女性の方がより顕著だったという。




 研究チームは「不妊を経験しても半数近くが専門家の助けを求めていないという結果に驚いた」とコメント。受診しない理由は直接尋ねていないためはっきりしないが、治療に伴う身体的経済的負担への心配のほか、不妊に関する知識そのものが不足している可能性も考えられるとしている。

引用元:
不妊でも半数は受診せず 英大規模調査で判明(47NEWS)