関市は2016年度、子育て世代が安心して外出できる環境づくりを進めようと、「赤ちゃんの駅」事業を展開している。授乳やおむつ替えのスペースなどを設けている市内の施設を登録し、市のホームページ(HP)などを通じて紹介している。公共施設を中心に約80カ所が登録済みで、入り口などに同駅のロゴマークを掲示。民間施設にも登録を呼び掛け、普及拡大を図る。

赤ちゃんの駅は▽授乳の場所▽おむつ替えのスペース▽ミルク用お湯の提供▽ベビーキープ(個室トイレなどにある赤ちゃん用の椅子)―のうち、一つでも利用できる環境が整っていればどこでも登録できる。

 一関子育て支援センターによると、1日現在で市役所本庁や各支所、市民センター、市立図書館といった公共施設のほか、大型スーパーなど計83カ所が登録。しかし、トイレのスペースが手狭などの理由からベビーキープや授乳室を備えている施設は少なく、全ての条件を満たしている施設は13カ所にとどまっている。

 このうち同市山目の一関保健センターは、外部の目を気にせず授乳ができるカーテン付きのスペースや、おむつ替えが容易なベルト付きの台などを設け、多くの母親が利用している。

 生後7カ月の娘がいる千葉さとみさん(34)=同市山目町3丁目=は「トイレに赤ちゃんを座らせる台があるだけでも助かる。いろんな場所で利用できるようになるとうれしい」と話していた。

 民間の登録も11カ所と少ないため、市では県などがPRする「いわて子育て応援の店」を中心に、同駅に登録する施設を募っている。同支援センターの須藤真智子副所長は「すぐに改修を行うことは難しいが、気軽に立ち寄って赤ちゃんの世話ができる環境を徐々に整えながら、地域の子育て支援の意識も高めていきたい」と語っている。

 同事業に関する問い合わせは同支援センター=0191(21)4170=へ。




引用元:
赤ちゃんの駅 着々 公共施設やスーパー83カ所 一関市(岩手日日新聞)