内臓脂肪がたまり生活習慣病をまねきやすいメタボリック症候群を対象とする特定健診について、厚生労働省の検討会は29日、腹囲を最初の判断基準とする現行の特定健診を続けると決めた。別の有識者会合から、高血圧や脂質異常など腹囲以外の危険因子を重視する方法に改定を求められていたが、変更は見送った。

 腹囲が基準内でも血圧や血糖値などが高い人にまで健診後の保健指導の対象を広げると、健診を担う健康保険事業の負担が増えることなどが理由。検討会は「健診は、そもそも内臓脂肪による生活習慣病を抑えるのが目的だ」と強調した。

 現行の特定健診は腹囲が男性85センチ、女性90センチの基準値以上の人のうち、危険因子が二つ以上の人をメタボとして減量に向けた保健指導の対象としている。

 健診の見直しを議論した有識者会合は、まず腹囲を測る現行の方法では腹囲が基準内で危険因子を持つ人が見落とされ、心筋梗塞(こうそく)や脳卒中などの危険性を警告できないと指摘。5月に、検査で危険因子があると判明した人も指導の対象とすべきだと結論付けた。腹囲が基準内でも危険因子を一つ以上持つ人は、持たない人より循環器疾患を発症する危険性が2倍程度高いことが門脇孝東京大教授の調査で判明している。

 だが、健康保険事業者などで構成する今回の検討会は、費用増大への懸念も背景に、メタボの人たちに対する指導の実施率を上げる方が優先度は高いとした。今の指導は減量が中心で、隠れメタボに対応するには新たに指導内容を検討する必要があるという。


引用元:
メタボ健診 腹囲優先改定せず 費用増大を懸念 厚労省(毎日新聞)