8月から産婦人科の常勤医1人が着任し、10月をめどに出産の受け入れ再開を目指す遠軽厚生病院。常勤医確保の背景には、遠軽、湧別、佐呂間3町の各担当者がアイデアを出し合った地道な募集活動があった。決め手になったのは、全国の産婦人科医へ出した7千通を超す手紙だった。
遠軽、湧別、佐呂間の3町は昨年12月に「遠軽地区地域医療対策連携会議」を設置。産婦人科医に送った手紙は、オホーツク管内を除く全国4450の民間医療機関に所属する計7637人分に達した。インターネットで産婦人科医のいる病院を探し、手紙やパンフレットを送った。
医師個人ではなく、医療機関を通したため、実際に何人の医師に届いたかは分からないが、反応があったのは14件。「私は高齢で行けないが頑張ってください」「ここの病院に聞いてみてはどうか」という激励やアドバイスのほか、遠軽厚生病院の医療機器についての質問もあった。
最終的に旭川市の民間病院に勤める男性医師(59)が応じた。遠軽にゆかりはないが、地元の窮状を訴えるパンフレットを見て「公的なものに貢献したい」と決意したという。
水面下の努力は医師への手紙にとどまらない。同会議の事務局を務める遠軽町保健福祉課の小谷英充課長は「3町でアイデアを出し合い、さまざまな方法を試した」と振り返る。
今年2、3月には大阪や広島、福岡など西日本のJRや私鉄の車両に2〜7日間、医師募集のポスターを掲示。また、遠軽地区のイベントに関東方面の医師が参加したとの情報があれば、その病院まで足を運んだ。ほかにも、厚生労働大臣に直接要請したり、ラジオCMを流したりと、これまでに約950万円の経費を掛けた。
医師1人を確保したが、昨年9月までの常勤医3人体制に向け、取り組みは続く。佐々木修一町長も「大きく一歩を踏み出したが、あと2人の確保に向けて努力を重ねたい」と気を引き締める。3町は今後も、まだ送っていない産婦人科医に手紙を送るほか、電車の中づり広告を首都圏に出す予定だ。
引用元:
産婦人科の常勤医復活、手紙7千通が決め手に 遠軽厚生病院(北海道新聞)