厚生労働省は27日、中央社会保険医療協議会(中医協)で、画期的な効果があるものの高額な薬剤の適正使用を進めるため、対象患者の要件などを定める指針を作成する方針を示した。また、発売後に薬を使える病気が広がり対象患者が増えた際は、直ちに薬価を下げる仕組みの検討も始める。厚労省は、これらの取り組みによって医療費の抑制を目指す。

 指針では、投与できる患者の基準を定め、副作用に対応できる医療機関や医師に限定して使用を認める方針。指針に従わなかった場合は、公的医療保険を適用できない仕組みも検討する。まず新しい仕組みのがん治療薬「オプジーボ(一般名ニボルマブ)」と、高脂血症治療薬「レパーサ(同エボロクマブ)」など4剤について、今年度中に学会などとともに指針を作成する。

 小野薬品工業によると、7月13日までにオプジーボ使用後に計3983件(うち死亡129件、投与患者計8544人)の副作用が報告された。同社は、要件に合わない医療施設や医師に供給していないが、使用を認めていない保険適用外の免疫療法との併用で死亡例が明らかになっている。このような施設は、オプジーボを海外から個人輸入しているとされ、学会などは注意を呼び掛ける。

 また、オプジーボの投与前に効果がある患者を選ぶ指標はまだ見つかっていない。このため投与患者を絞り込む基準作りは容易ではなく、指針の限界を指摘する声も出ている。

 厚労省はさらに、現在は2年に1度の薬価改定について、医療保険が適用される病気が増えて、市場規模が急拡大した場合は即座に薬価を見直す仕組みも検討する。この検討対象もオプジーボだ。オプジーボは、2014年に患者数が少ない皮膚がんで承認された結果、1人当たり年間3500万円という高額な薬価になった。しかし、昨年12月に患者数の多い肺がんに適用が広がり、医療財政への影響が指摘されるようになっている。【細川貴代、高野聡


引用元:
適正使用の指針作成へ 厚労省、医療費抑制で(毎日新聞)