最近、生後間もない乳児が遺棄されたという事件の報道が続いています。つい先日、香川県観音寺市のドラッグストアでトイレに赤ちゃんを遺棄するという事件が起こりました。
読者のママからは、自分の子どもを捨てることなんて考えもしないでしょうが、現実に様々な理由から子どもを遺棄してしまう人が一定数いるわけです。
今回は、なぜ乳児遺棄事件が起きてしまうのかについて、考察してみたいと思います。
■事件の要因・背景は?
乳児を遺棄してしまうに至った理由についての統計データはないのですが、各種報道等から推測しますと、
・少子化及び核家族化
・地域の閉鎖性
・子育て力の低下
・家庭環境
・望まない妊娠
・専業主婦、シングルマザーの社会的地位の低さ
・金銭面での不安
などが要因となって乳児を遺棄してしまうと考えられます。
そして、とくに未成年や若い男女の場合、これらの要因が複合的に当てはまるといえましょう。
■「誰に頼ったら良いのかわからない」
乳児を遺棄した親に対しては「なんて身勝手な親だ。」、「望まない妊娠ならなぜ中絶しなかったのか。」、「なぜ取り返しがつかなくなる前に周囲に相談しなかったのか」など批判がされます。
しかし、望まない妊娠をした未成年の女性が、認めたくないがために妊娠に気付くのが遅れ、親にも話せず苦しみ、父親も精神的・金銭的に頼りなく中絶費用も用意できず、どこを頼ったらいいかわからない……。
そんな状況のまま産むか産まないか悩んでいる間に妊娠22週を過ぎ、もう産むしかないけれども、1人で子どもを育てる自信はないといったケースは、決してドラマの中だけで起こるようなケースではないと思います。
上記の要因はいわば当事者側の事情ですが、たとえば、中絶の場合も出産育児一時金や出産手当が出ることや、赤ちゃんポストの場所、望まない妊娠をした場合の相談先電話番号などは、あまり知られていないという社会的背景も事件の遠因となっているかもしれません。
■「乳児遺棄は犯罪」となる
乳児を遺棄した場合は保護責任者遺棄罪に当たります。
もっとも、上記のように誰にも相談できないまま産むしかなくなった女性が、いざ破水したときに「トイレで産んだら保護責任者遺棄罪になるから病院に行かなきゃ。」と思うわけはないでしょう。
実際に逮捕されたケースの中には、厳しい刑事処分が相当なものもあるとは思いますが、事案によっては不起訴や酌量減刑が相当な場合も少なくないかもしれません。
■日本の「子育ての闇」とは?
娘が20歳くらいまでは「彼氏なんてまだ早い。ましてや性行為なんて早すぎる。」と言っていた両親が、30歳くらいになると「まだ結婚しないのか?早く孫の顔が見たい。」と言いだすことはよくあると思います。
また、中学校や高校でも性教育は行うものの、「望まない妊娠は避けるべきだけどもし困ったらここに相談しなさい」というような指導はなされていないと思います。
私は、これをすごく不思議に思いますし、このような日本における若年者の性行為をタブー視する価値観や性教育の不十分さがあり、子どもが妊娠や子育てに関する知識の乏しいまま、成長してしまうことも原因の一つかもしれません。
乳児の遺棄事件は、教育・福祉・行政・社会学・倫理等様々な角度から検討すべき難しい問題ですが、少なくとも赤ちゃんを遺棄するなんて許せないと批判するだけでは解決しないことは確かでしょう。
引用元:
トイレに乳児…赤ちゃん遺棄事件なぜ続くのか?日本が抱える「子育ての闇」とは(It Mama)