妊娠や出産で環境が変わると、気づかぬうちに体や心に変化が生じやすい。精神面のケアが必要な妊産婦が年4万人という推計もある。医師や助産師、自治体の保健師らが妊産婦の心の状態を把握し、必要なケアにつなげる取り組みが広がりつつある。

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■質問票使って妊産婦の心の状態を把握

 岩手県内の病院の産婦人科。妊婦健診に来た妊娠中期の女性が黙って涙を流した。助産師が尋ねると、「夫との関係に悩んでいるが、母親に心配をかけたくないので実家には帰りたくない」と打ち明けた。

 助産師は心の状態をみるチェックリスト「エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)」を女性に答えてもらった。「物事がうまくいかない時、自分を不必要に責めた」「はっきりした理由もないのに恐怖に襲われた」など10項目の質問に、どの程度当てはまるかを答えると、0〜30点で点数化される。9点以上は産前・産後うつ病の可能性が高い。

 この女性は19点と高く、赤ちゃんの成長も遅れていたためにすぐ入院。助産師は実母に女性を精神的に支えるように伝え、夫とも育児指導などを通じて話をした。自治体にも連絡し、退院後は保健師が自宅を訪問するようになった。

 女性はその後、女児を出産。EPDSは退院時に12点、産後1カ月は2点まで減少。子どもは順調に成長し、夫は育児や家事に協力的になったという。


引用元:
妊産婦が必要とするメンタルヘルスケア(朝日新聞)