梅雨明けから発症のピーク(7月中旬〜8月上旬)を迎える「熱中症」。乳幼児から高齢者まで、蒸し暑さや脱水、強い日射などの条件がそろえば屋内外問わず、誰にでも発症する可能性がある。日頃から予防意識をもつことが大切だ。

 【死亡の大半は高齢者】

 炎天下の屋外はもちろん、エアコンを使わない室内での熱中症も多い。総合内科・腎臓内科「みたかの森クリニック」(東京)の菊池太陽院長が説明する。

市販の熱中症計で危険度がチェックできる

市販の熱中症計で危険度がチェックできる

 「熱中症患者の約半数は65歳以上です。高齢者の熱中症は室内での発症が多く、重症化しやすい。熱中症で亡くなった方の内訳をみると86%が65歳以上というデータもあります。温度計と湿度計、熱中症計などの数値を確認しながら、エアコンや扇風機などで適切な温度や湿度、気流を作ることが大切です」

 【早めの対応が重要】

 屋内外を問わず、暑い環境で普段と違う体調=別項=を感じるときは熱中症の疑いがある。疲れやすさやめまいなど、少しでも体調がおかしいと思ったら、涼しい場所で30分は休息し、できるだけ多めに水分を取る。特に高齢者は症状が急変しやすいので、周囲の助けが重要になるという。

 「近くに熱中症を疑う人がいた場合の応急処置は、涼しい場所に移動させたら、衣服をゆるめて横にします。水分補給とともに、保冷剤など、身体を冷やすものがあれば、首や脇の下、太ももの付け根など動脈の走る部分を冷やしてください」

 熱中症は、症状を甘くみて対応が遅れてしまうのが最も怖い。重症度の判断に迷うようなら、応急処置と合わせて、ためらわずに救急車を呼ぶべきだ。

 【塩分補給も忘れずに】

 熱中症対策で重要なのは「こまめな水分補給」。のどの渇きがなくても、30分ごと、2時間ごとと、時間を決めて200ミリリットル程度の水分補給をするのがいいという。水分補給には市販の経口補水液や糖分の少ないスポーツドリンクが適しているが、水だけ飲む場合には塩あめや梅干しなどで塩分も一緒に取った方がいい。

 「熱中症では、水分とともにナトリウム(塩分)も失われていることが多いのです。推奨されているのは、1リットルの水に食塩1〜2グラムと砂糖20〜40グラムを加えた溶液。効率よく水とナトリウムが吸収されるので熱中症対策に有用です」

 持病があることも熱中症のリスク要因。病気によっては水・塩分制限がされている人もいる。また、利尿薬、降圧薬、向精神薬、抗コリン作用のある薬剤の使用も熱中症のリスクが増すという。

 「持病のある人は、夏の間の水分と塩分の取り方、薬の種類や量の変更の必要性を、きちんと主治医と相談した方がいいでしょう」

 《熱中症の重症度と症状》

 【I度】生あくび、めまい、立ちくらみ、大量の発汗、筋肉痛、こむら返り

 【II度】頭痛、嘔吐(おうと)、倦怠(けんたい)感、虚脱感、集中力や判断力の低下

 【III度】意識障害、けいれん発作など

 ※I度は応急処置、II度以上は応急処置+医療機関の受診

(2016年7月6日発行 夕刊フジから)


引用元:
【気になるこの症状】「熱中症」 持病のある人は水分と塩分の取り方を相談 (産経新聞)