Q 55歳の女性です。検診で腫瘍マーカーに異常があり、3カ月の経過観察でCA125値が76から158に上昇しました。MRI(磁気共鳴画像装置)検査で左卵巣の大きさは3・2センチ、PET−CTは陽性でした。5年前に閉経しています。卵巣がんの疑いがあると言われ手術する予定ですが、診断の経過は適正ですか。

 A 腫瘍マーカーCA125は、卵巣の漿液(しょうえき)性腺がん、類内膜がんではかなり増加しますが、月経周期に応じて35〜500くらいまで変動します。閉経後は、特別な場合(卵管卵巣などの炎症、子宮内膜炎など)を除き、35未満が原則で、多くは16未満です。

 一方、5センチ未満の小さな卵巣腫瘍は、更年期女性によくある良性の機能性卵巣嚢腫(のうしゅ)(卵巣機能が低下して、排卵しそこなって生じる未破裂卵胞=卵胞嚢胞(のうほう))の可能性もあります。閉経後数年で卵巣からの女性ホルモン分泌は著しく低下し、卵巣の大きさは長径2センチ未満になります。更年期の未破裂卵胞は2センチくらいの嚢腫を形成し、多くは半年以内に自然に破裂して見えなくなりますが、時に1〜2年かけて5センチくらいまで大きくなることがあります。これはPET−CTでも陽性となる場合があるので、悪性の卵巣腫瘍か否か判別が難しく、手術以外で確定できません。

 相談者は閉経後5年で、状況から、卵巣がんを疑うのは当然だと思います。

Q 手術の内容は?
A 開腹して左卵巣を切除し、迅速病理診断します。卵巣がんと分かれば、転移ルートや転移する可能性のある臓器を系統的に切除します。この手術後の摘出物の病理診断で卵巣のみに限局する卵巣がん(進行期Ia期)であれば、手術後の化学療法は行わずに経過を慎重に診ます。

                   


 回答には、瀧澤憲・がん研有明病院顧問(婦人科)が当たりました。カウンセラーによる「がん電話相談」(協力:がん研究会、アフラック=アメリカンファミリー生命保険会社、産経新聞社)は、(電)03・5531・0110。月〜木曜日(祝日は除く)午前11時〜午後3時。相談が本欄に掲載されることがあります。


引用元:
閉経後の卵巣腫瘍、診断は?(産経ニュース‎ )