健康な女性が将来の妊娠に備える卵子凍結保存について、生殖補助医療を手がける全国の医療機関の2割が「自らの施設で実施する可能性がある」と考えていることが、岡山大の研究チームの調査で分かった。日本産科婦人科学会(日産婦)の専門委員会は高齢出産につながりやすいことや妊娠率の低さなどから「推奨しない」としているが、既に少なくとも18施設が実施していることも判明した。
晩婚化に伴い、がん治療などの医学的な理由ではなく、仕事や未婚など社会的理由による卵子凍結の希望者が近年増えている。千葉県浦安市は少子化対策の一環として公費助成を開始。凍結費用の一部を補助する制度を導入した企業もある。
調査は昨年10〜12月、卵子凍結の実態や医療者の意識を探るため、日産婦に登録する1136施設に実施した。
実態に関する設問に回答した182施設の28%は、パートナーがいない未婚女性の卵子凍結希望者が来院したことがあり、20%は卵子凍結を実施する可能性があると答えた。
一方、公費助成のあり方に関する設問には、回答した356施設のうち72%が、助成すべき対象として「医学的理由」を挙げ、「社会的理由」は「どちらも」を合わせても9%にとどまった。公費助成が「少子化対策になる」「女性の社会進出を促す」とする意見は少数派で、「知名度向上」や「税金の無駄遣い」など否定的な意見が目立った。
健康な女性の卵子凍結は日本生殖医学会が条件付きで認める指針を作っており、学会で賛否が分かれている。毎日新聞が昨年4月に実施した調査では、全国12施設で計353人が凍結保存していることが判明していた。
調査した岡山大の中塚幹也教授(生殖医学)は「比較的寛容な医療者が多く、水面下で卵子凍結が広がることは問題が大きい」と指摘している。【
引用元:
卵子凍結 医療機関の2割「健康女性に実施も」 岡山大調査(毎日新聞)