自治体の乳がん検診で行われるマンモグラフィーで乳房のタイプによっては異常が見えにくいにもかかわらず、「異常なし」と受診者に通知されるケースが多いことが分かった。

読売新聞が主要な131自治体にアンケートした結果、回答の約7割が、異常が見えにくい乳房のタイプを通知する仕組みがないとした。受診者に、異常が全くないと誤解させる心配がある。専門家は「見えない場合に受診者が超音波検査などを受けられるよう通知をルール化すべきだ」と指摘している。


 マンモグラフィーでは、がんの疑いがある白い影の有無を医師が判定する。検診結果について国は自治体に「要精密検査」「異常なし」のいずれかで結果を伝えるよう指針で定めている。

 しかし乳腺の密度が濃い「高濃度乳腺」ではマンモグラフィーの画像で乳房全体が白く写り、異常の有無がわかりにくい。判別が困難でも「異常なし」と判定されてしまう。

 読売新聞は、政令指定都市、県庁所在地、中核市、中核市に準じる施行時特例市、東京23区の131自治体に3月、アンケートを実施。金沢市、愛知県春日井市、三重県四日市市の3市を除く128自治体から回答を得た。

 94自治体は高濃度乳腺を通知する仕組みがないと答えた。集団検診では、結果を郵送などで通知しているが、結果票には「異常なし」とのみ記載されるのが一般的。これ以外に、指定の医療機関で受ける個別検診などで「医師が結果を伝える際に詳しく説明している」とする自治体もあった。

 一方、埼玉県所沢市、兵庫県姫路市など8市では、文書や電話で高濃度乳腺であることを伝え、注意を促していた。9自治体では40歳以上に対し、見えにくい乳房でも異常を見つけられる超音波検査を隔年で実施していた。

 がん検診は国と自治体が費用の一部または全額を負担している。厚生労働省がん・疾病対策課は「高濃度乳腺への対応は今後、検討が必要な課題の一つと認識している」と話す。

 相良病院付属ブレストセンター(鹿児島市)放射線科の戸崎光宏部長は「自治体は、受診者に不利益にならない通知の方法を早急に作るべきだ」と指摘している。

 国内では毎年、新たに約9万人が乳がんと診断される。専門家によると、日本の女性の半数以上が乳腺の密度が濃く、マンモグラフィーだけでは異常を見つけにくいタイプだという。



引用元:
マンモグラフィーで乳がん判別困難例、自治体の7割が伝えず(ヨミドクター)