てんかんや線維筋痛症、神経因性疼痛などに使用されるプレガバリンの添付文書で妊娠・授乳中の慎重な投与に関する記載が既に行われている。妊娠初期に同薬を使用した女性で同期間に抗てんかん薬を非使用の妊婦に比べ、主要な先天異常を持つ出生児の割合が3倍に上っていたとの小規模な検討の結果がNeurologyに報告された。同学会の5月18日付リリース。

 今回の検討では7か国で妊娠中にプレガバリンを使用していた女性164例と抗てんかん薬を一切服用していない妊婦656例の児の予後を比較。同薬使用の適応疾患の内訳は神経因性疼痛(115例)、精神障害(39例)、てんかん(5例)、レストレスレッグス症候群(1例)だった。

 第1トリメスターに同薬を使用した妊婦では抗てんかん薬非服用の妊婦に比べ、主要な先天異常を持つ児の割合が3倍に上っていた。先天異常の内訳は心欠損、中枢神経系、またはその他の臓器の構造異常。同薬服用妊婦の中枢神経系に主要な先天異常を有する児の割合は抗てんかん薬非服用の妊婦の児の約6倍増加していた(3.2% vs. 0.5%)。

 同薬服用妊婦の77%が妊娠前から同薬を開始しており、同薬中止の平均的な時期は妊娠6週、13-20%がその他の抗てんかん薬を同時に使用していた。

 研究グループは「今回の検討では多くの女性が先天異常に関連する他の薬剤を使用しており、母集団の規模も小さいため薬剤と先天異常の関連を明確に結論付けることはできない」と考察。ただし、妊娠初期の同薬使用による主要な先天異常リスクの可能性を示唆する結果ではあると述べ、妊娠可能女性に同薬はベネフィットとリスクの比較衡量と有効な妊娠調節法を説明した上でのみ処方すべきで、妊娠中の使用に当たっては十分な胎児のモニタリングを行うよう求めている。


引用元:
妊婦のプレガバリン使用で先天異常3倍【米国神経学会】(m3.som)