横揺れしながら「よいしょ、よいしょ」と歩く妊婦さんの後ろ姿は、お腹を見なくとも歩き方で「妊婦さんかな?」ってわかりますよね。中には明らかにガニ股歩きになっている方もいます。

なぜあんな風な歩き方になるのでしょうか? 身体にとって影響はないのでしょうか?

そこで今日は、看護師でウォーキング講師の筆者が、妊婦が“ガ二股”になりやすい理由と身体への影響、妊娠中にやりたいウォーキングのコツについてお伝えします。



■妊婦が「ガ二股」になりやすい理由と身体への影響

突然ですが、あなたならどうやって米袋を持ち上げますか?

足幅を広くし、持ち上げるときは少し背中を反りますよね。このイメージのように、妊婦さんはお腹が大きくなってくるにつれて、徐々に背中が反り骨盤は後傾気味になります。

歩くときは足幅を広し、前のめりにならないようにガニ股になっていきます。

また、出産準備のために骨盤を開かせるホルモンが分泌されているので骨盤周囲の筋肉は緩んでいる状態にあります。

骨盤が開いてくると股関節もねじれるので、いろんな衝撃がダイレクトに骨盤や腰へ伝わり痛みの原因になります。

妊娠中、産後に与える身体のトラブルでは、足のむくみ、冷え、腰痛、便秘、しびれ が特に多いです。

妊娠中〜出産に至るまでは本当に何が起きるかわからないので、大事をとって外に出なくなることも多いかもしれません。しかしそれでは全身や足腰の筋肉が衰えてしまいます。

ガニ股は内腿の筋肉が弱って足が外側に開くような状態のため起こります。

■こんなサインが出たら要注意!出産しても体型は元に戻らない!?

靴のかかとが減りやすかったり、お尻周囲のお肉がつきやすい方は要注意!

“出産しちゃえば体型は元に戻る”なんてことはないので出産前から身体を作るためのトレーニングをオススメします。

妊娠中は有酸素運動が効果的な運動ですが、その中でも無理なく自分のペースで行えるウォーキングは最適な運動です。妊娠時期も特に問題なく行えます。

出産は体力勝負。妊娠してから筋力トレーニングをする必要はありませんが、元からあった筋力や体力を維持するためにもウォーキングは効果的です!



■プロが教える、妊娠中にやりたいウォーキングとそのコツ



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(1)背筋を伸ばして姿勢よく

ウォーキング中はしっかり背筋を伸ばし少し顎を引いて、ゆっくり呼吸をしながらご自分のペースで歩きましょう。ウォーキングをしていても姿勢が悪ければ効果が半減してしまいます。

(2)朝は避ける

妊婦さんにとって、一番お腹が張る危険な時間帯は朝。できるだけ朝を避けてウォーキングしましょう。

(3)気分がリラックスする場所を選ぶ

妊娠中にストレスが溜まると血管が収縮して胎盤の血流が悪くなってしまう恐れがあります。そのためにも気分転換が大切。ご自分の気分の上がるところやリラックスのできるところでウォーキングをしましょう。

(4)妊娠線ができにくい身体を意識する

お腹が大きくなり皮膚の急激な伸びに耐えられず皮下組織が断裂することで起こる妊娠線。ウォーキングをすれば腹筋が鍛えられ皮下組織を支える筋力の維持も期待できます。妊娠線ができにくい身体を意識してつくりましょう。





いかがでしたか?

ウォーキングをすると下半身に溜まりやすい血液の流れがよくなり、全身の血行が促進されます。さらに筋力が高まり姿勢の悪化を防ぎます。

妊娠中に姿勢や癖がそのまま残ると産後の身体の回復へも影響が出てしまうので、妊娠中から歩き方や姿勢を意識していきましょう。



引用元:
あなたは大丈夫?「妊娠中のガニ股歩き」が及ぼす身体への影響(It Mama)