「理想は子ども2人以上欲しい」夫婦は過去最高(81.1%)一方で、73.5%の夫婦が『2人目の壁』の高さを感じている。

一般財団法人1more Baby応援団(所在地:東京都港区、理事長:森まさこ)は、日本から少子化問題をなくしたいという想いのもと、このたび、「夫婦の出産意識調査2016」を実施、その速報がまとまりましたのでご報告いたします。この「夫婦の出産意識調査」は2013年から調査を開始し、今年で4回目の実施となります。

夫婦の理想「子どもを2人以上欲しい」が、現実に立ちはだかる『2人目の壁』。
【1】理想の人数、「2人以上」が81.1%で過去最高。
実際の出産予定とは別に、「持ちたい理想の子どもの合計人数」を尋ねました。
その結果、全体(以下、最大のN数は2958名)のうち、48.7%の方が「2人」、29.3%の方が「3人」と回答し、「2人以上を理想としている」は81.1%であることが分かりました。「理想の子どもの人数を2人以上」と考えている夫婦の割合は調査開始の2013年から増加傾向にあり、今回が過去最高です。
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【2】73.5%の夫婦が「2人目の壁が存在する」と回答。
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1more Baby応援団では、『2人目の壁』を「生活費や教育費に関連した家計の見通しや、仕事等の環境、年齢等を考慮し、第二子以後の出産をためらうこと」と定義し、これまで3回の調査を通じて、『2人目の壁』の存在を明らかにしてきました。今年もこの『2人目の壁』の考え方について説明したうえで、「2人目の壁は存在すると思うか」について尋ねたところ、『2人目の壁』について「存在すると思う」と答えた方は全体の73.5%で、【1】の「理想の子どもの人数」の意向とは相反する結果となり、昨年(75.0%)より減少しましたが、依然として高い状況です。

【3】「2人以上の出産」について、満足している家庭は98.0%
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【2】の調査結果で『2人目の壁』の存在が明らかになりましたが、実際に2人以上出産した夫婦に、家庭の幸福感について満足しているかを聞きました。すると98.0%の夫婦が満足していると回答。様々な理由から『2人目の壁』を感じる夫婦がいる一方、乗り越えた夫婦の多くは幸福感を感じ、生活に満足していることが分かりました。

【4】『2人目の壁』を感じる原因は、「経済的な理由」が最多(84.4%)。
フルタイムママは「仕事上の理由」も高い結果(58.3%)に。
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『2人目の壁』を感じる理由を尋ねた結果、「経済的な理由」がフルタイムママ・パートタイムママ・専業主婦ママともに今年も1位となりました。昨年、全体で3位だった「年齢的な理由」(43.0%)は2位に、2位だった「第一子の子育てで手一杯」は(39.1%)で3位となりました。就業状況別でみると、フルタイムママは「仕事上の理由」が58.3%という高い数値で昨年に続き今年も2位(全体では37.2%で4位)となり、産休の取得のしやすさや職場復帰などへのサポートが十分でない様子がうかがえます。パートタイムママも「仕事上の理由」と52.2%が答え、フルタイムママと同じ傾向であることが分かりました。一方、専業主婦ママは「第一子の子育てで手一杯」(44.3%)に続き、「年齢的な理由」(43.6%)、「心理的な理由」(40.2%)と複数の理由を抱えている様子が分かりました。
今回、初めて『2人目の壁』を感じる理由1位の「経済的な理由」について詳しく尋ねたところ、「現在の世帯収入では、2人以上育てるのに不安がある」が1位(61.5%)に続き、2位「基本的な教育費用に対し不安」(44.0%)、3位「子どもの養育費を十分に確保したい」(39.0%)が上位となり、子どもに満足な生活や教育を受けさせたい親の気持ちがうかがえます。
『2人目の壁』を感じる理由でフルタイムママ、パートタイムママが共に2位だった「仕事上の理由」についてみると、全体の1位が「育休、時短勤務など制度が不十分」(52.6%)、2位「仕事が忙しく、両立する余裕がない」(39.5%)、3位「周囲の目が気になり出産・育児休暇を取得し難い」(31.0%)と、育休や時短勤務など子育てに関する制度活用が進められている現在でも、実際には活用が困難であることをうかがわせる結果となりました。さらに、全体で1位となった「育休、時短勤務の制度の不十分」については、フルタイムママが29.9%だったのに対し、パートタイムママは2倍近くの57.6%と、大きな差が表れました。パートタイムママは、職場で利用できる制度が十分ではないと、より感じているようです。
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子育て世代の出産と保活のホンネ
【5】子育て経験者は出産に当たって「保育園入園」のタイミングを意識している!?
「子どもが1人いる」家族の58.7%は「保活がなければ、もう一人子どもを持ちたい」と回答。
「保活」に関する報道や待機児童問題への関心の高まりを受けて、出産に当たって「保育園入園に有利な時期を意識するか」を尋ねたところ、全体の30.4%が「意識する」と答えました。また、「産休・育休取得が可能な時期を意識するか」という設問では、全体の25.4%が「意識する」と答えました。さらに、それぞれの設問を子どもの人数別にみると、子育ての経験が増えるにつれ、「保育園入園に有利な時期」を意識していることがわかり、子育ての上で産休や育休取得よりも保育園入園に有利な時期を重要視している様子がわかりました。
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「『保活』をしている(した経験がある)か」を尋ねたところ全体で17.1%が「経験がある」と答え、「できることなら『保活』はしたくないか」と尋ねたところ全体の76.9%が「したくない」と答えました。「『保活』がなければ、もう一人子どもを持ちたいか」という設問には全体の41.7%が「もう一人子どもを持ちたい」と答えました。子どもの人数別に見ると、「子ども1人」の約6割(58.7%)が「持ちたい」と答え、全体の数値を大きく引き離していることが分かりました。これらの結果から、「保活」や待機児童問題が「もう一人子どもを持ちたい」という子育て世代の気持ちを妨げている現状が垣間見えました。
※今回の質問での「保活」とは、就労条件を変更したり、入所しやすい保育園の近くに引っ越したりするなど子どもを保育園に入れるために保護者が行う活動として定義
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【6】「保活」はママだけの問題じゃない!?パパの5人1人(19.7%)が「保活」経験あり。
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前頁でみた、「保活」に関する設問を子どもが1人と子どもが2人以上いるママとパパで比べたところ、ママが行うイメージが強い「保活」に対して、パパの実態や気持ちが浮かび上がってきました。
「保活」をした経験があると答えたパパは約5人に1人(19.7%)となり、ママの20.4%と僅か0.7ポイント差となり、ママだけでなく、パパも一緒に「保活」に取り組んでいる様子が分かりました。「できることなら、『保活』はしたくない」はママ(79.2%)とパパ(71.6%)の回答に7.6ポイントの差が出ましたが、概ねママとの「保活」に対する気持ちを共有していることが分かります。さらに、「『保活』がなければ、もう一人子どもを持ちたい」では、パパ(42.0%)の数値がママ(41.2%)を上回り、「もう一人の子ども」への積極的な様子がうかがえます。

働く女性の「出産・子育て」と「仕事」
【7】フルタイムママの9割が「子育てに関する制度と企業風土が整えば、働き続けたい」さらに、70.9%は
「同じ場所で長く働き続けたい」 と回答。
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政府が掲げた女性の活躍推進策、国民総活躍社会の実現に向けた官民一体となった取り組みに期待が集まっています。そこで、フルタイムママに「子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、働き続けたいと思うか」と尋ねたところ、約9割(89.6%)が「働き続けたい」と答えました(全体では76.7%)。
また、「妊娠や出産、子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、管理職を目指して働きたいか」と尋ねたところ、フルタイムママの約4割(39.1%)が「目指して働きたい」と答えた一方で、「管理職への昇進や出世を意識せず、同じ場所で長く働き続けたいと思うか」という質問には、フルタイムママの7割(70.9%)が「働き続けたい」と回答しました。子育て世代にとって管理職や昇進よりも、できるだけ長く働き続けたいという願望がより強いのかもしれません。
また、「子育てに関する制度と企業風土が整っていれば、 男性も積極的に育児休暇を取得すると思うか」に、フルタイムママの72.5%、パパ全体の71.7%が「取得すると思う」と回答しました。男性の子育てへの意欲が垣間見えながらも、子育て世代にとってまだまだ制度整備は十分ではないのかもしれません。

【8】5人に1人は子育てを目的とした移住に関する情報収集の経験あり!さらに、情報収集した半数が移住していた。
「子育てを主な目的とした移住に関して、情報収集・検討したことがあるか」と尋ねたところ、全体の18.4%が「したことがある」と答え、移住に関連した活動をしていることが分かりました。さらに、「子育てを主な目的とした移住に関して、情報収集・検討したことがある」と答えた人に限定すると、52.0%が移住していることが分かりました。この結果から子育てを目的とした移住は、情報収集に留まらず、実際の「移住」行動している現状が分かりました。
子どもの人数別でもみると、子どもの人数が増えるにつれ、関連情報の収集や移住の積極的に行っている現状が分かりました
今調査の調査条件について
<調査概要>【調査対象者】 N=2958 【調査期間】 2016年4月23日(土)〜28日(木)
■対象者条件 : 結婚14年以下の既婚者l性別 : 男女
・年齢 : 女性20-39歳、男性20-49歳(男性は妻が39歳以下)
・割付条件1. : 全国各都道府県均一回収 (各県63名、高知県のみ60名)
・割付条件2. : 既婚子なし/既婚子1人/既婚子2人以上 それぞれを均一回収⇒ 47(都道府県数)×3(子ども条件)=141セルのそれぞれを21名ずつ、計2958名回収(高知県のみ【既婚者子なし】は18名)
回収後、1.各都道府県の人口比、2.一世帯の子ども人数の構成比をH22年度国勢調査より算出し、ウェイトバックをかけた。本リリースで用いているのは、ウェイトバック後のスコアである。
■調査方法 : インターネット

調査主体について
一般財団法人1more Baby応援団
理想の数だけ子どもを産める社会を実現するため、結婚・妊娠・出産・子育て支援に関する情報提供及びその実現に必要な事業を行い、将来の活力ある社会環境の維持・発展のために寄与することを目的に活動。「 1 more Baby応援団」ポータルサイトと公式Facebookページでは、出産に関するママ・パパの意識を把握するための調査結果や、「もうひとり、こどもが欲しい」 という家族の想いを応援する情報を発信しています。
*「1 more Baby応援団」ポータルサイト (http://1morebaby.jp)
*「1 more Baby応援団」Facebook (http://facebook.com/1morebaby)

本調査に関するお問い合わせ先
1 more Baby応援団広報事務局 (株式会社 ジェーワン内)
TEL:03-3584-7269 FAX:03-3584-5230 メール:1mb_pr@jone.jp


引用元:
子ども1人家族は「保活がなければ、もう一人子どもを持ちたい」(58.7%)子育て経験者は「保育園入園」に有利なタイミングを意識している!?(産経新聞)