【5月27日 AFP】移民船の難破により孤児となり、イタリア人医師の心をつかんだ生後9か月の女の子が、同国で話題を呼んでいる。

 ファブール(Favour)ちゃんは、父親と妊娠中だった母親を悪夢のような船旅で失った後、たった一人でランペドゥーサ(Lampedusa)島に到着した。

 アフリカのマリやナイジェリアの出身者ら約120人を乗せた船は24日、救助船を見つけた移民らが船の片方に押し寄せたため転覆。生存者の多くが、深刻な化学やけどを負った。

 同島の唯一の医師であるピエトロ・バルトロ(Pietro Bartolo)氏(59)は、移民危機が始まって以来、栄養不良や脱水症状などを抱えた移民ら数百人の治療をし、地中海(Mediterranean Sea)で水死した数知れずの遺体を受け入れてきた。

 だが、幼いファブールちゃんには、特に大きな印象を受けた。イタリアメディア各社が26日に報じたインタビューでバルトロ氏は、「彼女の里親になりたいと申し出た。彼女をずっとそばにおきたい」と語り、自分に養育権が認められなかった場合、「誰かが彼女を養子にし、新しい人生を与えなければならない」と付け加えた。

「すばらしい子だ。私を抱きしめ、涙も流さなかった」(バルトロ氏)

 イタリアの日刊紙スタンパ(La Stampa)によると、バルトロ氏は5か月前、17歳のチュニジア人少年の里親にもなっている。

 この話が報じられた後、バルトロ氏の医院には、イタリアの数十の家族から、ファブールちゃんを養女にしたいとする電話があったという。(c)AFP/Ella IDE

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引用元:
海で孤児になった移民の赤ちゃん、養子の申し出続々 イタリア(AFPBB News‎ )