地震の前後に出産した母親の中に、ストレスから心のバランスを崩し「産後うつ」の恐れがある人が、地震が起きる前の2倍に増えていることが熊本市内の産婦人科病院の調査で分かりました。病院は「周囲の助けが必要」と、母親たちへの支援を呼びかけています。

 「お母さん、特に問題ないからね」(医師)

 日本一の出産数を誇る熊本市内にある産婦人科病院。熊本地震前後に出産した母親たちが1か月検診を迎えています。検査では体調のほかに、心の状態を把握するためのアンケート調査も行っています。

 「理由もなく不安感があるか」「悲しくなることがあるか」などの質問で、「産後うつ」の恐れのある人を早い段階で見つけ出し、支援しようというものです。

 その結果、熊本地震の後、「産後うつ」の恐れがあると判断されて心理士との面談に進んだ人が、地震が起きる前と比べて2倍に急増したといいます。

 「生まれたての赤ちゃんがそばにいて、何かあった時には赤ちゃんも連れて避難しなければならない。2倍以上に不安になる」(福田病院 河上祥一 院長)

 面談で浮き彫りになったのは、「地震がおさまらず落ちつかない」「家の片づけと子どもの世話で疲れがたまっている」など、緊張感の中で孤軍奮闘する母親たちの姿です。出産直後に地震に見舞われたこの女性も、実家のサポートを受けながら、なんとか子育てを前向きにとらえるようになったといいます。

 「ストレスで母乳が出なかったり不安はあるが、子どもの顔を見ると頑張ろうと思う」(4月14日に出産した女性)

 病院では、母親たちが遠慮せずに相談できるよう、周囲の協力が必要だと訴えます。

 「(母親が)情報というか、シグナルを送ってくれないと分からない。それを周囲の人が気付かなければいけない。『心配なことがあったら言ってね』と導いたり、声かけをする」(福田病院 河上祥一 院長)

 こうした声を受けて、現在、熊本市は市内の妊産婦全員に電話による連絡や家庭訪問を始めるなど、サポート体制の強化に乗り出しています。

引用元:
熊本地震、「産後うつ」の恐れある母親が2倍に (TBSNEWS)