群馬県内唯一の小児専門病院「県立小児医療センター」(渋川市北橘町下箱田)が4月以降、特殊外来の「遺伝科」を休止していることがわかった。ダウン症の診療や遺伝カウンセリングを行う専門性の高い医療分野。これまで1人いた専門医が3月に退職した後、後任を確保できなかった。

■専門医が退職、後任おらず

 遺伝科はダウン症など染色体異常や先天異常などの患者を診る。全身の診療や染色体・遺伝子検査による確定診断、合併症の早期発見や健康管理などだ。治療の選択を支える遺伝カウンセリングもして「1人目の子が遺伝病。2人目をもつべきか悩む」「出生前診断を受けたい」などの相談に応じてきた。

 センターによると、臨床遺伝専門医の資格を持つ女性医師が週3回診療してきたが、3月に退職した。合併症を抱える患者は院内の別の診療科で対応し、特殊な診療が必要なケースは埼玉や東京の病院を紹介した。

 遺伝科の外来患者は年間延べ922人(2015年度)で増加傾向だった。現在は非常勤医が隔週で来院するが、緊急時を除いて新規の外来は受け付けていない。今年度中には外来を再開させたい方針だが、常勤医の確保は難しいという。

 同センターは県内唯一の「総合周産期母子医療センター」に指定され、リスクの高い妊産婦や生まれつき重い病気を持つ新生児らに対して高度な医療を提供する役割がある。外来診療部長の山田佳之医師は「小児の遺伝診療は特殊な分野で医師の絶対数が少ない。専門学会と連携して後任確保をめざす」と話す。希望があれば若手育成にも力を入れる考えだ。


引用元:
ダウン症児ら診る「遺伝科」休止 県唯一の小児専門病院(朝日新聞)