熊本地震で被災し、再診患者の外来診療のみを行っていた熊本市東区の市立熊本市民病院(556床)は、18日から新規の患者についても外来の受け付けを始めた。

 産科、婦人科、精神科、リウマチ科を除く診療科が対象。入院はできないため、入院治療が必要と診断された患者は別の病院へ紹介する。

 市民病院は4月16日の「本震」で建物が損壊し、全入院患者約310人を県内外の病院などに避難させた。同28日から建物の一部を使い再診患者に限り外来診療を始め、1日平均約400人が受診している。

 今回、民間企業からCT(コンピューター断層撮影法)装置を搭載した災害対策コンテナ車の提供を受け、精密検査が可能になったことから、新患についても診療を始めた。通常通り、原則かかりつけ医の紹介状が必要で、ない場合は上乗せ料金がかかる。

 眼科に娘(8)を連れて来た同市東区の浜砂華子さん(36)は「総合病院が近くにないと不安なので、新患の受け付けが再開されてほっとしました」と話していた。

 同病院は、熊本大学病院とともに県内に二つしかない総合周産期母子医療センターの一つで、重症妊婦や新生児医療への影響が懸念されている。今後1年間で県外搬送が必要になる重症妊婦や新生児は、約130人に上るとの試算もある。大西一史市長は、市民病院を2018年度中に移転新築する方針を示している。


引用元:
「本震」で損壊した熊本市民病院、新患の外来診療再開(Medical Tribune)