かわいくてもお菓子はあげないで――。

 「お城の動物園」として市民に親しまれている和歌山公園動物園(和歌山市)で飼育する動物たちが、来園者が与える菓子類が原因で病気になるケースが目立っている。市は「人間の食べ物は動物にとって毒になることもある。動物のことを思うならむやみに餌をあげないで」と呼びかけている。

 菓子が原因とみられる病気が見つかったのは、体長30センチと小型で黄色い毛が特徴のボリビアリスザル「あっち」(雄、推定4歳)と、大型のネズミの一種マーラの「キュート」(雌、推定7歳)の2頭。いずれも今年1月中旬、頬が腫れているのが見つかった。飼育員が調べたところ、与えられたお菓子を口にしたため、歯から頬へとばい菌が入り、うみがたまっていた。2頭は普段、専用飼料や野菜、ヒマワリの種などを餌にしているという。

 同園では以前から、来園者がポテトチップスやチョコレートなどを与える姿がたびたび見られた。1980年には、アシカの一種「オタリア」が、投げ込まれたプラスチック製のおもちゃをのみ込んで死亡する事故も起きた。飼育員が見つけた際は声をかけたり、園舎に「お菓子を与えないでください」などと書いた看板を設置したりして、注意を呼びかけてきたが、必ずしも効果が上がっていない。

 1915年開園と歴史の古い同園は、園舎に高いフェンスも設置されておらず、入場も無料で、動物を間近に観察できると市民らに親しまれてきた。近年は外国人観光客も増えてきた。

 昨年に開園100周年を記念した園長選挙やシンポジウムなどを開いた効果もあり、2013年度は5万1000人程度だった入園者が、15年度は10万人を超えるまでになった。

 市和歌山城整備企画課は「来場者が増えるのは喜ばしいが、その分、動物への予期せぬ危険が生じている面もある。病気になった動物への投薬や麻酔も体の大きな負担になる。マナーを守って動物を温かく観察してほしい」と訴えている。(東直哉)


引用元:
毒になることも…動物にお菓子やめてと呼びかけ (読売新聞)