赤ちゃん連れでママ友との外出予定を立てていました。ところが子どもが当日熱を出してしまいました。
そんなとき「子どもの身体は心配だけど、それ以上に参加できなくなったことがとても残念……」こんな風に感じてしまうママは母親失格なのでしょうか?
今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が、“ママの孤独や不安をもたらす原因”についてお話しします。

■「想像と違った」子どもを持つという生活
なかなか妊娠しなかったころ、抱っこひもやベビーカーで赤ちゃんを散歩に連れて行っているママを見ると“まぶしいほどの幸せオーラ”を感じていた人も多いと思います。
「自分にも、赤ちゃんがやってきたら幸せな時間に満たされる」
そんな風に将来を描いたものの、現実は不安と孤独感にさいなまれている……。
想像していた姿と真逆だったかもしれません。

■「孤独、不安」には原因物質がある!?
NHKスペシャル『ママ達が非常事態、最新科学で迫るニッポンの子育て』によれば、妊娠中はエストロゲンが増えますが、出産後急激に減り、この減少が不安や鬱、孤独感を感じさせる要因になっているとされています。実際、“産後うつ”はうつ病の5倍にも上るそうです
なぜ、エストロゲンが減ってしまうのでしょうか。同番組が番組内で紹介した全国母子世帯調査によれば、母親一人で孤独な育児をしないようにするため、“共同養育”といって脳に備わった本能的なシステムがあるからなのだそうです。


■ママを囲む「日本の悲しい現実」
同調査によれば、子育てに対して不安と孤独を感じるのは7割にも及ぶと言われています。
ところがママが助けがほしいときは周りに協力を得られないのが実際です。
国立女性教育会館が行った調査をまとめた『家庭教育に関する国際比較報告書』では、“夫の家事の家事、育児への参加時間”や“ベビーシッター利用率”は以下の通りであることが判っています。
他の先進国と比べ、圧倒的に低い数値に驚きます。特に、夫の家事・育児への参加時間はスウェーデンの実に3分の1……。これは恐ろしい差です。
<夫の家事・育児への参加時間>
・スウェーデン:3時間21分
・アメリカ:3時間13分
・フランス:2時間30分
・日本:1時間7分  

<ベビーシッター利用率>
・アメリカ:41%
・フランス:17%
・スウェーデン:12%
・日本:2%

■日本の8割以上が核家族、でも頼りたい時にパパや味方がいない…

日本の家族形態のうち全体の8割以上が“核家族”と言われています。一番頼りたいパパは仕事で帰りが遅かったりします。
両親も遠い田舎にいて、助けてくれる環境がない人もいます。皆が皆、保育園やベビーシッターに預けられるわけではありません。
そんな中、母親と子ども1人だけで向き合って、1日家に閉じこもっていれば悲しく、不安になるのは当たり前なのです。
そして、可愛い子どもが生まれたのに孤独感にさいなまれるのは、エストロゲンが減ったためなのです。
本能が求めているのに、環境がそれを許してくれない状況なのですから“母親失格”なんて思う必要はないのですよ。
身近なママ友と繋がって外出したり、SNSでやりとりすることで孤独から解放されるのであれば、どんどん同じ思いをしている仲間と交わりましょう。
今は、子育て支援の一環で地域にそのようなサークルがありますので、調べてみましょう。

いかがでしたか?
お出かけができなくなったとき“子どもの身体の具合が悪いこと”に対するショックより、自分がママ友と交われない悲しみの方が上回ったとしても、自分を責めないでくださいね。



引用元:
日本パパの育児時間はスウェーデンの3分の1!? 「ママの孤独や不安」は子育て環境が原因だった(アメーバニュース)