子宮頸(けい)がんワクチンを接種した若い女性が全国各地で痛みなどの副作用を訴えている問題で、全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会の県支部は九日、前橋市の山本龍市長に支援を求める要望書を手渡した。この問題で県内の首長が県支部の家族と面会するのは初めて。被害の訴えの中には通学や進学に影響するなど深刻なケースが相次いでおり、要望書は自治体として独自の救済策を設け、医療や教育の体制を充実させることなどを求めている。 (菅原洋)
県によると、県内ではこれまで約五万人が接種を受けた。県に医師を通じて副作用の報告があったのは昨年末現在で十代を中心にした二十九人で、このうち全身のしびれなどで十六人が重篤と診断されている。
連絡会は二〇一三年三月に、県支部は同十月にそれぞれ発足した。県支部には、二十九人のうち十二人と保護者が登録している。この日はいずれも十七歳の娘が被害を訴えている三人の母親が訪れた。
要望書では、「歩行・認知機能の低下や免疫機能の異常など多岐の発症があり、診断や治療が難しく、複数の病院を巡り、遠方での受診を強いられている。それでも症状の改善は難しく、精神的、金銭的に困窮している」と訴えている。
その上で「遠方受診の交通費を支給するなど全国で二十以上の自治体が実施している独自の救済策を設ける」「行政、医師、被害者家族が検討会を設置し、診療・医療機関の体制を充実させる」「学校、医療、行政の現場で問題への理解を深めてもらう研修会を開く」−などを要望している。
娘が前橋市で接種した県支部の黒崎京子代表は取材に「まずは会っていただいて感謝している。行政と医療に連携してもらい、ワクチンが原因と気付かずに苦しんでいる少女たちの掘り起こしも進めてほしい」と求めた。
面会後、山本市長は取材に「話を聞いて、被害とワクチンに何らかの因果関係があるのでは、と感じた。市として議会と相談しながら、苦しんでいる方々を支え、フォローしたい」と述べた。
三人はこの後、要望書は提出しなかったが、県の塚越日出夫・健康福祉部長と県教育委員会の笠原寛教育長に面会した。
<子宮頸がんワクチン> 子宮頸がんは子宮の入り口部分にでき、主に性行為でウイルスが感染して発症する。ワクチンは2010年度から国の補助が始まり、13年4月に女子中学生を中心に定期接種となったが、副作用の報告を受けて国は同6月には積極的に接種を勧めるのを控えている。全国の被害者連絡会には発足以来で3000件を超える相談が寄せられ、被害者516人が登録している。問い合わせは全国の被害者連絡会=電042(594)1337=へ。
引用元:
子宮頸がんワクチン被害者、医療や教育支援求める 前橋市長に要望書(東京新聞)