<夜中の3時だった。僕はもう見ていられなかった。

もうこれは無理だ。奈緒の夫として、奈緒はもうこんなに苦しまなくていい。

そして、息子の父親として、ママのこの姿はもう見せたくない。

もう、十分に頑張った。頑張ったから奈緒は・・・僕は先生を呼んだ>



■涙で読めない!ベストセラー書籍「112日間のママ」

読売テレビアナウンサーの清水健さんは、2015年2月に“乳がん”で妻・奈緒さんを亡くされました。

たった1年9ヶ月の結婚生活の中で、息子の誕生、そして闘病生活を支えあった二人の感動の実話が『112日間のママ』として本になっています。これは、清水さんから奈緒さんへの“ラブレター”でもあるそうです。

「涙で読めず何度も中断した」といったような声がたくさん寄せられています。

結婚そして妊娠後間もなくして、幸せの余韻にひたる間もなく妻・奈緒さんの乳がんが発覚した清水家。奈緒さんの命、まだ見ぬこれから生まれてくる新しい命。どちらの命を守るのか、という究極の選択に迫られます。

2人は奈緒さんの命も子どもの命も救うという決断をします。

乳がんによる想像を絶する苦痛を耐え、新たな命を生み出した奈緒さん、そして支えた清水さん。2人は晴れてママ・パパとなります。3人の幸せはそう長く続きませんでしたが、しかし、112日間という短い間ながら“ママ”として、全力を尽くした奈緒さん。

壮絶な日々の先に得た、幸せの瞬間は深く刻まれたことでしょう。

■日本女性の「12人に1人」が乳がんになる時代、決して他人ごとではない

乳がんの早期発見、早期治療の大切さをする『ピンクリボンフェスティバル』によると、生涯に乳がんを患う日本人女性は、12人に1人と言われています。

また、乳がんで亡くなる女性は、2013年に年間1万3,000人を超え、1980年と比べて実に約3倍に達しています。

厚生労働省が発表した人口動態統計では、2014年の乳がんによる死亡数(女性)は13,240人で、増加しているそうです。

乳がんは珍しい病気ではなく、決して他人ごとではないということを今一度認識しましょう。



■母子双方の健康を鑑みる必要がある「乳がん治療」



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検査や治療は、赤ちゃんとママ、それぞれのリスクとリターンを考えながら慎重に行う必要があります。

妊娠の継続や出産・授乳が、がんの進行や再発に影響を与えることはありません。また、中絶をしても妊娠を継続しても再発率に差はありません。

しかし、検査や手術、薬物療法、放射線療法は、妊娠の時期によって胎児の健康に影響を与える可能性があり、特に妊娠前期での治療は、流産する危険や胎児に異常や奇形を起こす危険が上がるとされています。

妊娠前後はママにとって大切な時期です。早期発見であれば、リスクを最小限に抑えられる可能性もあります。



■「20代からのセルフチェック」が早期発見の鍵

乳がんは 30代から増加しはじめ、40歳代後半から50歳代前半にピークを迎えます。40歳を迎えたら、2年に1度の乳がん検診を受けることが国の指針で勧められています。

乳がんは、早期発見により適切な治療が行われると、良好な経過が期待できます。若い年代で乳がんを患う女性も少なくありません。年齢問わず関心を持つことが大切です。

自分の胸の状態を見て触って知っておくことで、しこりや変色など、些細な変化に気付くことができるようになります。



いかがでしたか?

ママの命は、大切な家族にとってかけがえのない存在。清水さんをはじめ、多くの乳がん患者が経験した悲しみを繰り返さぬよう、「乳がんは決して他人ごとではない」という意識を日頃から持つことが重要です。

ぜひ、ひとりひとりが乳がんに関心を持ち、検診・セルフチェックをするようにしましょう。



引用元:
12人に1人が乳がん発症…!ベストセラー「112日間のママ」から学ぶ、乳がん検診の大切さ(12人に1人が乳がん発症…!ベストセラー「112日間のママ」から学ぶ、乳がん検診の大切さ)