熊本地震の被災地で飲料水の確保が問題となっている中、横浜市内に住む子育て中の母親らが、工場で調乳された「液体ミルク」を海外から輸入し、被災地に配布することを求める要望書を国に提出する準備を進めている。液体ミルクは海外では普及しているが、国内では衛生上の問題などから製造販売できない。「まず液体ミルクの存在を知ってほしい」と周知を訴えるとともに、国内の粉ミルクメーカーにも働きかける。(古川有希)

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 「テレビで(熊本地震で被災して)小さな赤ちゃんをあやしているお母さんの姿を見て胸が締め付けられた」

 液体ミルクの国内普及を目指して活動している「乳児用液体ミルクプロジェクト」代表の末永恵理さん(36)は、要望書提出に動き出した思いをこう説明する。

 液体ミルクは常温で6カ月〜1年程度保管ができる。清潔な水が不足したりお湯が沸かせない環境では大きな助けになり、東日本大震災の時も有志が液体ミルクを被災地に送った実績もある。要望書では液体ミルクの海外からの緊急輸入、被災地での迅速配布を求め、安倍晋三首相や厚生労働省などに送るつもりだ。

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 末永さんが液体ミルクに関心を持ったのは、長女、凛ちゃん(1)の出産後だった。国内では厚生労働省の省令で乳幼児用食品は「粉乳」と限定され、液体ミルクの製造販売は認められていない。個人輸入しか入手方法がなく、試しに米国から取り寄せてみると商品の2倍の輸送費がかかったという。

 「日本でも安価かつ手軽に液体ミルクを購入できないか」と思った末永さんは平成26年11月、インターネット上で署名活動を始めた。賛同者の輪が徐々に広がり、27年12月には経済産業省の職員や商社、飲料メーカー社員らが集まり、意見を交換する勉強会も開催した。

 だが、厚労省は「常温での流通は微生物が繁殖しやすい。便利だと思うがリスクが分からないので、安全性を示すデータを出してほしい」(基準審査課)とし、末永さんの問い合わせに粉ミルクメーカー側も「液体ミルクのニーズがどれほどなのか見えない」と回答。具体的な進展を見いだせていなかった。

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 そんな状況が熊本地震で一変してきた。地震前は1万2千人台だった署名は一気に2万4千人を超え、海外在住の女性から「熊本に液体ミルクを送るにはどうしたらいいか」と問い合わせがあったり、東日本大震災の被災者から「液体ミルクがあって助かった」という声が寄せられたりと、大きな反響があった。

 末永さんは「地震が契機となったのは残念ですが、多くの方にこういう商品があるということをまず知ってほしい」と話し、活動に力を入れる。

 すでに約1万2千人分の署名を粉ミルクメーカーに届けているが、2万5千人分に達すれば再度送るつもりだ。

 同プロジェクトの詳細はhttps://www.facebook.com/milkformulajapan/まで。


引用元:
横浜の母親ら「乳児に液体ミルクを」 輸入・配布国に要望へ(産経ニュース)