基礎体温は生理周期に合わせた「低体温期」と「高温期」のリズムがあり、高温期が続くと妊娠の可能性があります。

ここではドクター監修の記事で、妊娠超初期における基礎体温の変化と、正しい基礎体温の測り方について解説します。

妊娠超初期症状としてみられる基礎体温の変化にはどのようなものがあるのか、また基礎体温の正しい計測方法について解説します。
(監修:矢追医院 院長 矢追正幸先生)





妊娠超初期症状では、基礎体温の高温期が2週間以上続く
出典:www.skincare-univ.com
妊活中で基礎体温を測っているという方は多いと思います。基礎体温とは、身体がもっとも安静なときに計測した体温のことを言います。通常は、朝目覚めたときに横になったまま測ります。

基礎体温は、生理周期に合わせて2つの期間に分かれます。

生理開始日から排卵日にかけて「低温期」と呼ばれる体温が低い状態が続き、排卵日を境に「高温期」に入り、体温は上がり続け、次の生理が来るタイミングで再び下がります。(見かけ上、高温相となっていても無排卵性月経というのがあります。)

妊娠すると基礎体温は高温期が続きます。これは、妊娠を継続させるために体温を上昇させるはたらきのあるプロゲステロン(黄体ホルモン)がかかわるためです。

生理が正常な周期で来ている方の場合、排卵日から次の生理予定日まで約2週間が高温期となります。高温期が3週間以上続くような場合には、妊娠している可能性があります。


妊娠超初期症状にみられる熱っぽさやだるさは、この高温期も関係していると考えられます。

妊娠後、高温期が続く期間は、胎盤が出来はじめる妊娠13週頃より、卵巣からでなく、胎盤からの妊娠維持ホルモンに切り替わるため基礎体温が下がり始めます。


基礎体温の正しい測り方

基礎体温の「低体温期」と「高温期」の差は、実際には1℃程度の差でしかありません。

従って、正しい基礎体温を把握するためには、0.01度刻みで計測できる専用の基礎体温計(婦人体温計)を使って、毎日なるべく同じ時間に同じ状態で計測することが必要です。


朝、目が覚めたらすぐに測る

一日を通して、身体がもっとも安静な状態であるのは朝、目覚めたときです。起床後、身体を動かしたり、起きた時間が遅かった時などでは体温も上がってしまいます。

そのため、一定の時間で、横になったままで計測してなるべく正確な基礎体温を測るようにします。万が一、いつも違う時間となった場合には、備考の欄に測った時間を記録しておきましょう。


計測は舌の裏側で

基礎体温計の先端を舌の裏側にあて、必ず同じ場所で正しく計測するようにします。舌の裏側の奥にある真ん中のすじ(舌小帯)の左右どちらかで正しく測ることができます。

舌の上で測ると0.04 〜 0.10℃の差が出てしまい、正しい数値が得られませんので注意しましょう。基礎体温は3カ月ほど続けて記録すると自分の身体のリズムが分かってきます。

毎日記録することが大事になってきますが、最近の基礎体温計には計測したデータをPCへ転送してくれるものや、基礎体温計自体にデータを保存して液晶部分でグラフ表示するものもあります。

また、5分程度の計測時間で正しい体温が測れる実測式のタイプや、わずか10秒程度で計測できる予測式のタイプなどさまざまあり、ご自身の生活スタイルや好みに合わせて、基礎体温計を選んでみてください。


引用元:
妊娠超初期症状と基礎体温の変化(COZRE)