分娩による脳性麻痺の防止に関する提言の項目を実施している医療機関のうち、約9割の施設が「分娩中の胎児心拍数の聴取」に取り組んでいることが、日本医療機能評価機構の調査で分かった。胎児の心拍数をめぐっては、同機構の産科医療補償制度再発防止委員会がまとめた報告書で「胎児の状態を評価することが早期診断、分娩介入につながる」とし、心拍数聴取の重要性を指摘していた。【新井哉】

 報告書では、胎児の状態を正確に把握し、分娩中の子宮収縮などによる胎児の低酸素や酸血症などの異常の有無を早期に診断する観点から「胎児心拍数および陣痛を正確に計測・記録することが重要」と説明。「分娩第?期は次の連続的モニタリングまで(6時間以内)は、15-90分ごとに間欠的胎児心拍数聴取を行う」といったことを産科医療機関の関係者に向けて提言していた。

 同機構は18日に開かれた再発防止委員会で、産科医療補償制度に加入する分娩機関を対象に、昨年9月28日から10月28日までにアンケート調査を実施。1642施設から回答を得た。

 それによると、新生児蘇生などを取り上げた報告書の提言について、「ほとんど取り組んでいる」もしくは「一部取り組んでいる」とした病院(産科部長)は69.7%、診療所は71.7%。取り組んでいる提言の内容(複数回答)については、「分娩中の胎児心拍数聴取」が病院(産科部長)で88.5%、診療所で90.8%と最も多かった。これ以外では「子宮収縮薬」と「新生児蘇生」に関する回答が目立った。

 産科医療補償制度は2009年1月に創設されたもので、分娩に関して発症した重度脳性麻痺児とその家族の経済的負担を補償することなどが目的。再発防止委員会が脳性麻痺発症の原因分析を行い、報告書に再発防止に向けた提言を掲載。同機構が3月に公表した報告書(第6回)では、常位胎盤早期剥離や母体間輸血症候群などに関する提言を行っていた。

引用元:
分娩中の胎児心拍数、9割の施設が聴取−評価機構調査、提言実施施設で(医療介護CBニュース)