14日に発生した熊本地震で、家屋の倒壊など被災した状況が多く報道されている。東日本大震災の被災者は映像などを見て記憶を呼び起こし、心的外傷後ストレス障害(PTSD)の症状を悪化させる恐れがある。周囲の受け止め方や対応を、大船渡市の小中学校を担当する沿岸南部教育事務所巡回型カウンセラーで臨床心理士の浦本真信さん(38)に聞いた。

 震災という大変なことがあったので、年齢関係なく今でも強く反応が出ることはごく自然なこと。「まだそんなこと言ってるの」という対応はしないでほしい。

 熊本地震が岩手にも影響があると感じて体が反応するので、影響はなく安全だということを認識してもらう。「大きい地震があったからね」「誰だって怖いよね」と話を聞いてあげてほしい。むしろ、強がって話さない、隠している人は症状が長引いてしまう。

 トラウマ(心的外傷)やPTSDは記憶や気持ちの整理ができないことが要因。一番の解決策は会話をすること。例えば、1人暮らしの高齢者はお茶会などで昔を懐かしむことが気持ちの整理につながる。

 また、子どもが発症した場合は親もその可能性が高い。親が怖がり、家庭で話せない環境になっているからだ。反応することは普通のこと、周りに伝えることが大切と正しい知識を親が認識し、一緒に解決に向けて取り組む、子どもが話しやすい環境をつくる意識を持ってほしい。症状が出てもこれまでを振り返る良いきっかけと捉えるべきだ。

 これまで教員向けの研修は多く行われたが、保護者対象の研修は少ない。大船渡市では月1回保護者向けにお便りを発行して症状や対応を伝えている。トラウマが重なると、PTSDを発症しやすくなる。体が反応することは決して変なことではない。思い出しても安全、大丈夫と繰り返すことが安心感につながる。(談)

【写真=「思い出して体が反応することは普通のこと。話を聞いて向き合うことが大切」と呼び掛ける浦本真信さん】



引用元:
PTSD「会話で安心させて」 震災被災者症状への対応(岩手日報)