世界一貧しい大統領と言われる“ムヒカ大統領”が今月5日に来日し、TVなど多くのメディアに登場された際に残した心の響く名言が今、話題になっています。

その中に“私たちは発展するために生まれてきているわけではありません。幸せになるためにこの世にやってきたのです”の言葉があります。これって子育てでも同じことが言えると思います。

子どもが誕生したとき、ただ「幸せな人生を歩んでほしい」とだけ願っていたのに、知らず知らずにとわが子への要求度が高くなって多くを望むママがいます。

そこで今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者の立石美津子が子育ての目的についてお話します。



■「子どもを伸ばす」は本当に必要なの?

“子どもの能力を伸ばそう”“才能を開花させよう”とつい私たち親は子どもを伸ばそう、伸ばそうと思ってしまいます。そのようなタイトルの書籍もたくさん出版されています。体重や身長は毎日ご飯を食べさせていれば自然に増えていきますが、才能はそういう訳にはいきません。

例えば、スイミングスクールの保護者席で見学しているとき、周りの子どもがビート板を使わないでスイスイ泳いでいる光景を見たら「出遅れたらいけない」と焦ってしまいます。

そして、頑張ってレッスンを受けて更衣室から出てきたばかりのわが子に「もっと練習して、皆みたいに泳げるようにならないとダメでしょ」と責めたりします。

お手紙まで書ける子どもを見ると、字を教えなくてはならないと不安になります。少しでもいい幼稚園や小学校に入学させたいと願ったり……望めばきりがありません。

確かに泳げるようになれば夏のプールを楽しめますし、字が読めたり書けたりすれば世界が広がります。

■こんな言葉がけしてませんか?

でも、次のような言葉をかけていたらどうなるでしょう?

「みんなはちゃんと泳げるのに、○○ちゃんは水が顔に付いただけで泣いているの?弱虫ね!」

「お兄ちゃんが3歳の頃には30まで全部言えたんだよ、同じ兄弟なのにどうしてできないの!」

「頑張って勉強しないと、いい学校に入れないのよ!」

こんな風に周りの子どもや兄弟姉妹と比較されてダメ出しばかりされていたら、子どもは「毎日楽しくない」から始まり「僕はみんなのようにできないダメな子なんだ」と感じるようになってしまいます。

親は“せめて人並みにできるようにならなければ可哀想だ。不幸だ”の思いがあるのかもしれませんが、否定ばかりされていたら、子どもは毎日が幸せではありません。“この世に誕生してよかった“とは思えません。

我が子の幸せのためには上を目指して伸ばそうとするのではなく、温かく見守り適度なサポートをすることが大切です。



いかがでしたか。

子どもは幸せになるために誕生したのです。そのためには何か能力をつける、才能を伸ばすことではなく“どんなに些細なことでも毎日の生活に何かしらの発見や喜び“を見出すことです。

才能開花のためいろんな刺激を与え、やらせることは決して悪いことではありませんが、子どもの自信を失わせるような言葉をかけることだけは避けましょうね。



引用元:
ムヒカ大統領の心に響く名言に学ぶ「子育てで見失ってはいけない」大切なコトとは?(It Mama)