主に幼児から30代までの若い人がかかる血液のがんに対する薬の臨床試験(治験)が医師の主導で進んでいる。国内の患者発生が年に100人未満と少なく、新たな薬の開発が遅れてきた。この治験はデータを少しでも早く集めるため、通常の治験と異なり、子供と成人患者の両方を同時に対象としたのが特徴だ。

 病気は悪性リンパ腫の一種「ALK陽性未分化大細胞リンパ腫」。複数の抗がん剤を組み合わせる治療が有効で患者の7割前後は治る。3割の患者は再発し、投薬や骨髄移植でも治らない人もいる。治験責任者の永井宏和・名古屋医療センター血液内科医長は「使える薬の選択肢を増やす必要がある」と指摘する。

 治験は、来年3月末までに、既存の治療法が効かないか、効いたが再発した患者計10人に参加してもらい、肺がん治療に使われている「アレクチニブ」の安全性と有効性を調べる。

 薬の治験は通常、大人のデータ集めが先行し、子供は後回しになりがち。今回は患者数が少ないため6〜15歳の子供も対象に含め、全年齢で裏付けを持って薬が使えるようデータ取得を目指す。アレクチニブは子供に使った実績がないため、子供3人の参加が得られた段階で副作用の状況を検討し継続するか決める。

 効果が確認できればデータを製薬企業に引き継ぎ、国への承認申請につなげたいという。永井医長は「今回のような治験のやり方が、子供と大人にまたがるがんの治療開発に有効だと示せれば」と話す。


引用元:
患者年100人未満の希少血液がんの薬、成人と子供の治験同時に(産経ニュース)