りんご病(伝染性紅斑)は、頬が赤くなる症状が見られ、主に子供がかかる病気として知られていますが、実は大人でも発症する可能性があります。大人と子供でりんご病の症状に違いはあるのでしょうか?


◆りんご病の症状とは?

りんご病(伝染性紅斑)は、赤い頬を症状とし、ヒトパルボウイルスB19というウイルスに感染することで発症する病気のひとつです。感染経路は、飛沫感染(くしゃみなどによる感染)または接触感染(ウイルスがついた部分を手などで触れ、その後口や鼻などから感染)です。

「りんご病」と聞くと子供の病気と思いがちですが、大人でも発症することがあります。たしかに、りんご病の好発年齢は6歳から12歳くらいまでの学童期なのですが、例えば妊婦の発症により胎児に影響したり、大人でも関節炎のような症状が見られたりと意外に大人でも感染例が見られているのです。今回は、子供や大人でそれぞれどのような症状が見られるか解説していきますが、まずはりんご病の主な症状を説明します。

りんご病の症状として、以下のものが挙げられます。
•両頬の赤い発疹(蝶形紅斑:顔に蝶のような紅斑ができること)
•手足や体にできるレース状の発疹
•微熱、鼻水、咳、頭痛などの風邪症状

また合併症としては、貧血、胎児水腫(妊婦の感染により発症)などが知られています。ヒトパルボウイルスB19が赤血球の減少を引き起こすことが、貧血が起きる理由として考えられています。胎児水腫は、この妊婦の貧血に伴う胎児の貧血により発症します。妊婦のりんご病感染に関する詳細については、別の機会に譲りたいと思います。ちなみに、発疹が見られたときには感染力はほぼ消失していていることに留意してください。

これらの症状について、合併症がなければ免疫機能の力だけで治ることが多いため基本的に治療の必要はないですが、溶血性貧血を発症している患者さんや妊婦では重症化する場合もあるため、治療が必要になります。それでは次に、これらの症状について大人と子供でどのような違いがあるのか解説します。



◆りんご病の症状は大人と子供で違うの?



りんご病では、同じヒトパルボウイルスB19に感染したとしても、大人と子供で症状が多少異なることが知られています。国立感染症研究所では、以下のような違いが見られると解説されています。


10〜20日の潜伏期間の後、頬に境界鮮明な紅い発疹(蝶翼状−リンゴの頬)が現れ、 続いて手・足に網目状・レース状・環状などと表現される発疹がみられる。胸腹背部にもこの発疹が出現することがある。これらの発疹は1週間前後で消失するが、なかには長引いたり、一度消えた発疹が短期間のうちに再び出現することがある。成人では関節痛・頭痛などを訴え、関節炎症状により1〜2日歩行困難になることがあるが、ほとんどは合併症をおこすことなく自然に回復する。なお、頬に発疹が出現する7〜10日くらい前に、微熱や感冒様症状などの前駆症状が見られることが多いが、この時期にウイルス血症をおこしており、ウイルスの排泄量ももっとも多くなる。

子供と比べて大人では、不顕性と言って「感染しているけれども症状が見られない状態」を示すことが多いですが、なかには2週間から3週間程度、関節痛や頭痛、手足のこわばりといった関節炎の症状が見られることがあります。しかし、その多くは合併症も見られず、自然に回復するため、治療が必要ないこともあるということでした。

このように大人が感染してもあまり症状が見られないというのがりんご病の特徴である一方、前述したように、妊婦や貧血持ちの方では、症状を重症化させたり、赤ちゃんに影響することがあるため、大人であっても注意が必要です。


◆りんご病と似た症状が見られる病気とは?

それでは最後に、りんご病の症状と似た症状が見られる病気について説明したいと思います。

りんご病と同様に発疹が見られる病気として、風疹、麻疹、水痘、突発性発疹、川崎病などがあります。過去にりんご病が風疹の一種であると言われていた時代もあり、類似した疾患であることがわかります(のちに独立した疾患であることがわかりましたが、流行する時期も似ていることから、現在でもその区別が難しいことが知られています。)

関節痛に関しては、関節リウマチや全身性エリテマトーデスとの区別が必要になります。特に後者の全身性エリテマトーデスは、りんご病に特徴的な「蝶形紅斑」が見られるため、間違えられることがあります。また、りんご病の原因ウイルスであるヒトパルボウイルスB19は、実はりんご病だけではなく、関節リウマチや関節炎と発症させることもあることに注意が必要です。

その他にも、貧血が見られる病気・疾患として、遺伝性球状赤血球症や骨髄の病気があります。場合によっては、検査を行うことでその区別ができるため、医師からしっかりと説明を受けることが大事です。



今回は、りんご病の症状について代表的なものと、大人と子供の違い、りんご病と似た症状が見られる病気について解説してきました。春から夏にかけて流行する可能性がありますので、注意が必要です。予防法などに関しては別の記事で解説します。


引用元:
大人と子供で違う?りんご病(伝染性紅斑)の症状について解説(MEDLEY)