御殿場市や長泉町など静岡県東部の6市町は30日、子どもが3人以上いる世帯の保育園・幼稚園の費用を大幅に助成する支援策を、2016年度から連携して実施すると発表した。2人目の保育料は半額、3人目以降は無料となる。広域連携による子育て支援策を打ち出すことで、子育て世代の住民を呼び込みたい考えだ。

 子育て支援策で連携するのは御殿場市と長泉町のほか、沼津市、裾野市、清水町、小山町の3市3町。複数の市町が組んで同じ施策を同時に実施する例は珍しいという。

 6市町は16年度から、子どもが3人以上いる世帯の保育料について、2人目の子どもは半額、3人目以降は全額を助成する。公立の保育園や幼稚園だけでなく私立も実質的に同水準を助成する。

 保護者の収入などに関係なく、助成額は一律。助成に伴う6市町の財政負担は計約4億円の見込み。県東部地域政策局によると、県内でこうした大幅な子育て支援の助成制度はないという。長泉町や小山町、裾野市、清水町は子ども2人の世帯にも保育料の助成を拡大する。

 6市町は育児支援で足並みをそろえることで、地域全体の子育て環境の良さをPRしたい考えだ。子育て以外にも、自然環境や文化、交通アクセスなど、地域全体の優位性を生かし、首都圏などからの移住を促進する方針だ。

 6市町はこのほど、共同で各市町の特徴や移住支援策を紹介するパンフレットを作成。東京・有楽町にある県移住支援センターなどで配布する予定だ。今後は移住・定住施策についても連携を検討する。

 県外では東京都港区などで第2子以降の保育無料化の先例がある。同日記者会見した長泉町の遠藤日出夫町長は「東京などをまねしないと、人は来てくれない」と危機感をあらわにした。

 御殿場市の若林洋平市長は「人口減を食い止めるべく、首都圏に向けてPR効果のあるパンチの効いた施策が必要だ」と述べた。

 6市町長は同日、県庁で川勝平太県知事に子育て支援の連携策を報告。県全域に助成制度を拡大することで、人口減少を食い止めるよう要請した。


引用元:
3人目以降は保育料無料に 静岡の6市町、子育て支援で連携(日本経済新聞)