健康被害を予見できたのに回避措置をとらなかったとして、子宮頸(けい)がんワクチンの副作用を訴えている女性たちが6月にも、国と製薬会社2社に損害賠償を求めて集団提訴する。弁護士約150人が30日に結成した「HPVワクチン薬害訴訟全国弁護団」が記者会見し、明らかにした。弁護団は薬害エイズやC型肝炎訴訟に並ぶ規模で、大型薬害訴訟になる可能性がある。
すでに原告団に参加する意思を示しているのは北海道から福岡までの高校生や大学生ら、10〜20代の12人。今後、被害者約500人でつくる「全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会」(松藤美香代表)と連携して参加者を募り、東京、名古屋、大阪、福岡の4地裁に同時提訴する方針だ。
弁護団によると、12人は中学や高校時代に接種を受けた後、意識消失を繰り返したり、激しい痛みに苦しんだりした。今も半身マヒが残ったり生理がなかったり、視野が欠けたり記憶障害になったりと、多様な症状に苦しんでいるという。
接種と被害の因果関係について、弁護団は被害実態の調査などから法的には明らかとの立場だ。訴訟では、グラクソ・スミスクライン社とMSD社の製薬2社が国内販売を申請した際に海外で報告されていた重い副作用の事例に対する国の認識の不十分さや、承認時のワクチンの安全性に関する判断の問題、接種を促進した責任などを問うという。
子宮頸がんワクチンは、世界保健機関(WHO)が有効性を支持するなか、国内での治験が終わる前の2007年9月に、製薬会社側の国内申請を受けつけた。政府は10年の閣議決定で接種を緊急促進事業に位置づけ、接種費用がほぼ全国で無料になったため、任意接種にもかかわらず接種者が急増した。
引用元:
子宮頸がん集団提訴へ 国・製薬2社相手に(朝日新聞)