発達障害の中の一つ、“自閉症”について最近よく耳にします。目の前にいるまだ小さなわが子が「もしそうであったら……?」などと不安に思うママも多いのではないでしょうか。

そこで、今日は、『1人でできる子が育つ テキトー母さんのすすめ』の著者で自身の息子も自閉症である立石美津子がお話します。



■自閉症の赤ちゃんの「顔つき」って?

ダウン症のお子さんのような特徴的な顔つきはありません。昔は“自閉症児は賢そうな顔をしている”と言われていたこともありますが、そんなことはありません。賢そうな顔は極めて主観的なもので人によって見方が違うからです。

ただし、こういう顔が自閉症であるというものはありませんが、ある特徴や共通する態度が見られることがあります。



■自閉症児にみられる4つの特徴

(1)人に関心を示さない

生後、半年経っていない赤ちゃんでも大人が“アーン”と口を開けるとその真似をしたり、母親を目で探して追うことをします。けれども、自閉症児の場合、これをしないことがあります。その後、2歳近くになっても人の真似をして「は〜い」と手を挙げたり、誰かの真似をして遊ぶことも少ない傾向があります。

また、何かに見立てて想像する遊びであるママごとやお店やさんごっこなどの“ごっこ遊び”も苦手な子が多いです。



(2)“クレーン現象”がみられる

例えば、自分が取ってほしいおもちゃが手の届かないテーブルの上にあったとき、1歳くらいのまだ喋れない子どもでも指を指して“あれとって”のゼスチャーをします。けれども自閉症児はなかなか指さしが出現しにくいと言われています。

その代わり、他人の手や腕をまるで道具のように使って物を取ろうします。これが工事現場のクレーン車やUFOキャッチャーのアームを操る動きに似ているので“クレーン現象”とも呼ばれます。ただし、健常児でも言葉がうまく出ない時期にこれが起こることもありますので“クレーン現象=自閉症”と決めつけないで注意深く経過をみていきましょう。
(3)逆さバイバイ(さかさバイバイ)をする

バイバイするときは通常、自分の手のひらを相手方に向けてバイバイします。けれども自閉症児は自分と相手の立場を置き換えて考えることが難しいので、自分が見たまま相手の真似をします。つまり次のように手のひらを自分側に向けてバイバイするのです。これを“逆さバイバイ”といいます。





photo by Tateishi
(4)オウム返しをする

また、質問も同様に「リンゴとミカンどっちを食べる?」と聞くとオウム返しで「リンゴとミカンどっちを食べる」のように応答することがあります。「行ってらっしゃい」と言っても「行ってきます」ではなく「行ってらっしゃい」と言いながら玄関を出ていったりします。

このように相手からの質問に対して自分の言い方に置き換えて話すことができません。これが鳥のオウムのようなので“オウム返し”と呼ばれます。



■「もしかして…?」と思ったら、どこで診断したらいい?

もしお子さんが自閉症児の可能性があるかもしれないと感じた時、診断を受けるのは小児科ではなく精神科です。ただし、単なる精神科でも鬱病、統合失調症などの大人だけを診るところもあります。児童を専門に扱う精神科医がいるかどうか事前に確認しておいたほうがよいでしょう。

発達障害の診断は小児専門の精神科、心の診療科、小児神経科などで受けることができます。ただし、小児神経科の専門医は全国で合わせても1,000人ほどしかいませんので、どこも混雑していて初診まで半年〜1年は待ちます。それを見越して早めに早めに予約だけ入れておくとよいかもしれません。



いかがでしたか。

自閉症は皆が皆、同じ特徴や行動が表れるわけでもありません。必ずこういう表情をするという決まったものもありません。

実際、筆者の息子の場合は逆さバイバイやクレーン現象も出ませんでした。特徴的だったのが人に関心を示さなかったことです。目の前に誰かが顔を近づけても何も見えていないようなおかしな表情をしていました。

もし不安であれば、素人判断をせずに専門機関を受診してください。近くに該当する科のある病院がない場合、住まいのある自治体の発達相談の係りにつないでもらいましょう。適切な場所を紹介してくれますよ。




引用元:
わが子がもしかしたら……!? 自閉症の赤ちゃんの「顔つき・特徴」って?(It Mama)