体外受精した受精卵にある全染色体の数の異常を調べ、正常な受精卵を選ぶ「着床前スクリーニング」を実施している不妊治療専門の産婦人科医院「大谷レディスクリニック」(神戸市中央区)の大谷徹郎院長は28日、新たな技術を導入した結果、妊娠率が約6割から約7割に向上した、と発表した。

 大谷院長によると、遺伝情報を大量に解読できる「次世代シーケンサー」(NGS)を導入。検査の精度がアップし、これまであった異常の見落としがほぼなくなったという。

 昨年6〜12月に従来の技術で検査した延べ239人(平均年齢39・8歳)の妊娠率は63・2%。NGSを導入した今年1月から3月初めでは、延べ72人(同39・9歳)の妊娠率が70・8%に上がった。

 着床前スクリーニングをめぐっては、日本産科婦人科学会が指針で重篤な遺伝子異常などを除いて認めていない。命の選別につながるとの批判もあるが、大谷院長は「着床しやすい受精卵を子宮に戻すのが目的。命をつくるための方法だ」と主張した。(


引用元:
新技術導入で「妊娠率向上」 神戸の産婦人科発表(神戸新聞NEXT)