妊婦が梅毒にかかると、胎盤を通してお腹の中にいる子供が感染してしまいます(先天梅毒)。そのため、予防・検査が非常に重要です。今回は、先天梅毒を予防するために大事な妊婦の梅毒検査について解説します。


◆先天梅毒とは?

先天梅毒は、妊婦が梅毒にかかることで胎盤を通じてお腹の中にいる赤ちゃんにも感染し、生まれながらにして梅毒を持ってしまう病気のことです。赤ちゃんが梅毒を持っていると、その後の発育不全や障害を持つ可能性があるため、妊婦では初期検診で検査をしっかり行うこと、予防することが非常に重要です。

先天梅毒の症状としては、肝脾腫、黄疸、脈絡網膜炎、低出生体重といったものが見られ、さらに乳幼児期ではバラ疹、鼻閉、パローの仮性麻痺と呼ばれる症状が、学童期ではハッチンソン3徴(実質性角膜炎、内耳性難聴、ハッチンソン歯)と呼ばれる症状が現れることがあります。乳幼児期で発症した場合、早発性先天梅毒、学童期で発症した場合、晩発性先天梅毒と呼びます。以下に、それぞれの症状について簡単に説明します。
•肝脾腫:肝臓や脾臓が腫大することを言います。
•黄疸:ビリルビンという物質が血液中で増えて皮膚や粘膜に沈着し、皮膚が黄色く見える症状です。
•脈絡網膜炎:目にある脈絡膜と網膜に炎症が起き、目の異常として視力の低下や目のかすみが起こることがある症状のことです。
•低出生体重:生まれてきたときの赤ちゃんの体重が2500g未満であることを言います。
•バラ疹:淡い赤色の斑点様の発疹が全身にできることを言います。
•鼻閉:鼻づまりのことです。
•パローの仮性麻痺:主に腕の骨に痛みがあり、手を動かさないため麻痺しているように見える症状のことです。
•実質性角膜炎:角膜に異物が入っている感覚や過剰に眩しく感じるなどの症状が現れる病気です。
•内耳性難聴:内耳の発達障害や感染症が原因で起こる難聴です。
•ハッチンソン歯:歯に欠損部分が見られます。

このように、先天梅毒は子供にとって生まれながらにして障害を持つことになってしまう怖い病気です。それでは、どのようにして妊婦や赤ちゃんが感染しているか調べられるのでしょうか。



◆先天梅毒を予防するための妊婦の梅毒検査とは?



先天梅毒を予防するためには、妊婦の梅毒検査が重要です。行われる検査としては、血液検査(血清梅毒反応を見る検査)が挙げられます。

血清梅毒反応には主に2種類の方法があります。ひとつは、梅毒に感染すると血液に現れる抗体とそれに反応する梅毒由来の抗原を利用して行われる検査です。もうひとつは、牛から採取したカルジオリピンという物質を抗原に利用する検査になります。基本的には、カルジオリピンを利用した検査でスクリーニングを行い、その後梅毒由来の抗原を利用した検査を行います。これらの2つの検査で陽性であった場合、梅毒と診断されます。

検査は、感染後すぐに行ってもその検査の信頼性が低い結果が出てしまうため、感染のリスクがある時点からおおよそ4週間程度経ってから行うことが勧められています。また、検査が陰性であっても少し時間が経ってから再度検査を行うと陽性となる場合もあるため、検査の特徴や感染後の期間などを踏まえて医師とよく相談することが大事です。



◆梅毒の予防法について

それでは最後に、親になる人ができる限り梅毒に感染しないための予防法について解説していきます。梅毒の予防法は幾つかありますが、すべてにおいて「100%梅毒を予防できる」というものではありません。むしろ、梅毒に感染している人との性行為は、どんな予防法を行っても感染する可能性が高いことを認識する必要があります。

予防法としては以下の点が挙げられます。
•避妊具(コンドーム)の使用
•性行為前に清潔にする
•パートナーの性器を確認し、特徴的な症状がないか観察する
•体調不良時には性行為をしない
•生理中に性行為をしない
•屋外で性行為をしない

  など

基本的に梅毒は、粘膜や体液に含まれる梅毒の菌が細かな傷、粘膜から入り感染することになります。そのため、梅毒感染者との性行為はまさにどのような予防対策を行ったとしても、感染の危険性を高めてしまうのです。上記の予防法はあくまで「気やすめ」にしかならないこと、また、通常の性行為だけではなく、オーラルセックスなどでも同様のことが言えるため、注意が必要です。



今回は、先天梅毒について解説してきました。自分だけでなく、子供にも影響する可能性がある「梅毒」ですが、しっかりその特徴を理解して注意しなければ、子供が先天梅毒で苦しい思いをすることになるかもしれません。生まれてくる赤ちゃんのためにも、梅毒検査とその予防を行うことが大事です。少しでも症状が見られたら、すぐにお近くの医療機関を受診するようにしましょう。


引用元:
妊婦の梅毒感染は赤ちゃんに大きな影響が。先天梅毒の予防法と検査の重要性について解説(MEDLEY)