子宮筋腫のある女性はかなりの数に上るといわれています。経過観察といわれて治療が必要ない場合も多いのですが、日常生活の中で筋腫を小さくする方法はないのでしょうか。

■子宮筋腫についての相談:「子宮筋腫は食事で小さくできますか」


『20代で子宮筋腫を指摘されましたが、小さなもので生活に支障もなかったので忘れていました。30代後半になり、最近トイレが近いと感じて久々に婦人科へ行ったところ、筋腫が8cmになっていて経過観察といわれました。閉経後は小さくなるとのことですが、それまでに食事などで小さくすることはできるのでしょうか。(30代・女性)』


■子宮筋腫の原因


すべてが治療を要するものではない子宮筋腫。そもそも子宮筋腫というのはどうしてできるのか、なぜ大きくなってくるのか専門家にうかがってみました。

『子宮筋腫には、エストロゲンという女性ホルモンの分泌が大きく影響しています。(婦人科看護師)』


『子宮筋腫は女性ホルモンのエストロゲンに関係して大きくなります。閉経後はエストロゲンの分泌が減少し、小さくなります。(内科看護師)』


■エストロゲン量に関係する食材


子宮筋腫の増大に関係しているというエストロゲン。エストロゲンの量をコントロールする食材にはどんなものがあるのでしょうか。

『大豆製品や亜鉛を含む魚介類を控え、食物繊維を含むものを多めに摂るとエストロゲンを抑制することはできるかもしれません。しかし、エストロゲンを抑えると月経不順になったり、閉経が早まり更年期障害が現れることもあるので注意が必要です。(婦人科看護師)』


『イソフラボンと呼ばれる大豆に多く含まれる成分は、体内に入ることでエストロゲンに変わるといわれています。一方で、大豆には抗酸化作用やコレステロールを下げる働きもあるので一概に摂取を控えるのも推奨できません。(内科看護師)』


『緑黄色野菜には、体内の不要なエストロゲンを排出する働きがあるようです。(内科看護師)』


■食材による改善は期待できない


エストロゲンをコントロールする食材はあっても、実際にコントロールするのは簡単なことではなさそうです。つまり、食事では子宮筋腫は改善できないということなのでしょうか。

『私たちの身体は食べ物から作られているといっても過言ではありませんが、食べ物に気をつければ目に見えて筋腫が小さくなるかというとなんともいえません。食事療法による子宮筋腫の改善は医学的には根拠がないことです。(内科看護師)』


『筋腫を小さくしたり治せる食材はありません。極端な食事制限や過度の摂取はせず、脂っこいものや身体を冷やす食べ物を控えて、なんでもバランスよく召し上がるようにしてください。また、定期的に婦人科を受診して、経過をみていくことが大切です。(婦人科看護師)』


『食事による改善は、小さくなったらいいなぐらいの気持ちで取り組んでください。バランスの摂れた食事を心がけて、きちんと定期検査を受けられるのがベストではないかと私は思います。(内科看護師)』


子宮筋腫は食事で改善できるものではなさそうです。子宮筋腫の方が気をつけておくべきこととしては、バランスのいい食生活を心がけることと、あまり神経質にならず定期的な検査を欠かさないことといえそうです。


引用元:
だんだん大きくなる子宮筋腫は食事で小さくできる?(マイナビニュース)