根強い男尊女卑 労働力として期待
なるほドリ 中国では男の子の方が多く生まれるそうだね。
記者 出生人口(しゅっせいじんこう)の性別(せいべつ)割合(出生性比)は自然な状態では、女を100とすると、男は105前後とされます。ところが、中国では一人っ子政策導入後、男の出生数が異常に多い状態が続いています。近年は男が120前後で推移し、世界で最も高い水準です。2010年の中国版国勢調査(こくせいちょうさ)によると、安徽省(あんきしょう)は130を超えていました。男児が3割も多く生まれたことになります。
Q なぜ、そんなことが起きるの?
A まず男児を尊(とうと)ぶ価値観が根強いこと。さらに、農村部では男性を労働力や老後の生活保障(ほしょう)の担い手として、より切実に必要としています。国が「一人っ子しか認めない」と制限した結果、多くの人が女児を妊娠しても中絶(ちゅうぜつ)して男児を求めました。同じ時期に超音波検査(ちょうおんぱけんさ)などの出産前の性別鑑定技術が普及したことも拍車(はくしゃ)をかけました。
Q バランスが崩れると何が問題なの?
A 男が余(あま)るわけですから、結婚難につながります。少子化、独身高齢男性の社会保障などの問題が心配されます。都会よりも、経済条件が劣(おと)る農村部にしわ寄せが来るでしょう。昨年10月には中国の経済学者がブログに「収入の低い男性たちは一妻多夫(いっさいたふ)制を」と提言し、物議(ぶつぎ)を醸(かも)しました。
Q 一人っ子政策をやめれば解決するの?
A そうとも言えません。例えば一人っ子に制限していないインドの出生性比も男が110を超える水準です。共通点は根強い男尊女卑(だんそんじょひ)の意識です。中国政府は00年代から「女児の命を守り、大切にしよう」と呼びかけています。(長野支局)
引用元:
中国・男児の出生なぜ多い?=回答・稲垣衆史(毎日新聞)