法制化進まず 学会指針に強制力なし
なるほドリ 代理出産(だいりしゅっさん)は世界でどれぐらい行われているの?
記者 少なくとも20カ国以上で実施されています。インドやタイ、米カリフォルニア州などでは代理母に報酬(ほうしゅう)を支払うビジネスが合法的に成立しています。英国やニュージーランドなどでは、必要経費(けいひ)以外支払わない無報酬の代理出産に限って認められています。一方、現時点で法規制がなく、グレーゾーンで実施例が報告されている韓国やマレーシア、カンボジアなどの国もあります。
Q たくさんあるんだね。
A ただし、外国人依頼主と代理母との間で子どもの引き取りなどを巡る問題が相次ぎ、インドとタイ両政府は昨年、外国人向けの代理出産を禁止しました。マレーシアやカンボジアなども法規制を検討しています。
Q 中国ではどうなの?
A 中国政府は2001年、代理出産の医療行為を法令で禁じました。しかし、現実には代理母あっせん業者が複数存在します。昨年末、一人っ子政策を撤廃(てっぱい)するための人口・計画出産法改正に伴い、代理出産についても規制のあり方が議論されましたが、「複雑な問題でさらに議論が必要だ」として、改正法の条文には盛り込まれませんでした。例えば「一人っ子を亡くし、出産適齢期(てきれいき)を過ぎた親には認めてもよいのではないか」といった意見が根強いためです。
Q 日本でも中国人向けの代理出産ビジネスが明らかになったね。
A 国内では、日本産科婦人科学会(にほんさんかふじんかがっかい)が指針で禁じていますが、強制力はありません。長野県の「諏訪(すわ)マタニティークリニック」が01年以降、子宮がない女性を対象に、実母や姉妹による無償の代理出産で計14例16人が生まれたと公表しています。一方、厚生労働省の生殖補助医療部会(せいしょくほじょいりょうぶかい)は03年、代理出産を禁じる報告書をまとめ、国に法制化を求めましたが、国会議員の反対などで頓挫(とんざ)しました。自民党の法務・厚生労働合同部会は16日、卵子提供や代理出産で生まれた子の親子関係について「産んだ女性を母」などと定める民法改正案を了承しましたが、代理出産自体を禁止すべきかどうかの議論は先送りされたままです。(
引用元:
代理出産、日本の規制は?=回答・阿部周一(毎日新聞)