今回は乳がんの手術について説明します。手術は乳がん治療の中で一番基本になる治療で、遠隔転移(肺や肝臓や骨などの遠くの臓器への転移)がない場合は、原則として手術を行うことになります。乳がんが進行して他の臓器に転移している場合は、薬物療法が中心になります。

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 手術は乳房切除術(全摘術)と乳房部分切除術(温存術)があります。全摘術は乳輪・乳頭も含めて乳腺をすべて切除します。温存術は乳房の一部分を切除しますが、乳房を温存できるかどうかは、がんの大きさや個数、乳頭との距離などで決まり、リンパ節への転移の有無は関係しません。

 温存術では安全にがんを取り切ることが重要です。がんがある部分をぎりぎりで切り取ると、端にがんが残る可能性があるため、通常は1・5〜2センチ程度の余裕を持って切除します。直径1センチのがんでも4〜5センチの範囲を切除することになります。乳房の大きさにもよりますが、直径3センチまでのがんは一般的には温存術の対象です。

 温存術でもある程度の乳房の変形は避けられません。また、乳頭にまでがんが及んでいると乳頭を残すことはできず、全摘術になります。温存術後は残した乳房に対して5〜6週間、連日(平日のみ)の放射線治療が不可欠で放射線治療ができない方は全摘術をせざるをえません。

 全摘術の場合、乳房再建をされる方も増えてきました。再建には手術と同時に行う一次再建と、治療が一段落してから行う二次再建があります。以前は自家組織(おなかや背中などの自分の組織)によるものが中心でしたが、最近は人工のシリコーン製のインプラントを用いた再建も保険適用となり、乳腺外科医と形成外科医が研修を受け、日本乳房オンコプラスティックサージェリー学会の認定を受けた医療機関で手術が可能です。再建手術を希望される方は主治医と相談してみて下さい。


引用元:
全摘術と温存術、乳房再建も保険適用(asahi.com)