子どもたちだけで調理をする体験型食育事業「フィッシュキッチン」を境港市が進めている。対象は5歳児。5日、わたり保育園(渡町)で33人が取り組んだ。子どもたちはこの1年間、育てた野菜を調理し、日本有数の漁港・境漁港に揚がるマグロやカニに触れてきた。4月からは小学1年生。集大成と新たな一歩のきっかけとしていた。

 この日の献立は、いり豆のごはん、サバのカレー煮、ブロッコリーとおからなどのサラダ、豆腐と切り干し大根のみそ汁。日本人の体に合うとされる「一汁二菜」の和食だ。

 講師は市の管理栄養士の渡辺一佐子(ひさこ)さん(43)。「今日は子どもが働く日です」と話しかけて始まった。渡辺さんは1品ずつ作り方を料理番組のように目の前で見せた。サバを三枚に下ろすところで、包丁で骨を切る音を聞かせると「かわいそう」と園児の声。すると「みんなと同じように心臓もあります。命をいただいて生きているんだよ」と優しく教えた。


引用元:
鳥取)5歳児、作って食べて命のお勉強 境港 (朝日新聞)