閉経前の乳がん発症リスクを下げるのは、高校生のころの食物繊維摂取量とする研究結果が、マサチューセッツ州ハーバード大学医学大学院、ブリガムアンドウィメンズ病院の共同研究チームによって発表された。

研究では、米国在住の看護師を対象とした追跡調査「Nurses' Health Study II(1991〜2001)」の参加者9万534人を対象に、まず1991年に、27〜44歳までの参加者の食事調査を実施。1998年には、自己申告方式のアンケートで、高校生(14〜18歳)のころの食事調査をおこなった。

その後、2001年まで定期的に調査を実施し、乳がんの発症率と、食事による食物繊維摂取量の関係を分析した。発症率は、人種や血縁者の乳がん既往歴、体重、月経頻度、アルコール摂取量といったそのほかのリスク要因で調整している。

その結果、高校生時に食物繊維を1日平均21.5グラム以上摂取していた人は、1日平均16.3グラム以下だった人に比べ、生涯の乳がん発症リスクが16%低下し、閉経前の発症リスクは24%低下していた。

この結果を踏まえると、高校生時の食事に、毎日10グラムの食物繊維を追加することで、生涯の乳がん発症リスクが約13%低下するという。食物繊維を摂取することで乳がんリスクが低下した理由について、研究者らは「胸の細胞が発達する思春期に、乳がんの原因とされるエストロゲンの血中濃度が、食物繊維によって低く抑えられ、影響を受けにくくなっていたのでは」と推測している。

研究は、2016年2月1日、米国小児科学会誌「Pediatrics」オンライン版に掲載された。


引用元:
高校生の食事、食物繊維「プラス10グラム」で 乳がんリスクが低下(エイジングスタイル)