進学や進級をきっかけに、子供が学校から帰ってから1人で留守番をさせてみようと考えている家庭も少なくないだろう。ただそのときに頭を悩ませるのが、鍵の管理の方法だ。専門家は「身につけて隠す」ことがポイントだと指摘する。(安田奈緒美)
◆無人でも「ただいま」
子供が家族不在の家に帰り、自分で鍵を開けて、1人で留守番をしなければならなくなった場合、鍵の取り扱いはどのようにすればよいだろうか。
子供の安全を守るための研究や提言を行っている「子どもの危険回避研究所」(東京都八王子市)の所長、横矢真理さんは、「鍵を持たせるなら、常に身につけさせ、ドアを開けるときにはさっととり出せるようにしてほしい。鍵を持っていることが分からないような工夫も忘れずに」とアドバイスする。
特に、玄関の鍵を開けるときには注意が必要だ。まず、周囲を見渡して不審な人物がいないか確認する▽鍵をすばやくとり出す▽家族が家にいるときと同じように「ただいま」と言ってドアを開ける▽入ったらすぐに施錠する−といった点に気をつけて行動するよう横矢さんは注意を促す。「家族がいるときも同じことに注意して行動しておけば、1人のときも自然に振る舞えます」
ただ、子供だけでの留守番はとてもリスクが高い。横矢さんは「なるべくそうならない方法を考えてほしい」と話す。
◆人に見せない
子供の事件事故に関する情報や防犯に関する情報を発信している、警備会社セコム(東京都渋谷区)IS研究所の舟生岳夫さんは、子供に鍵の意味をよく教えてほしいという。「まずは、鍵がどれだけ大切なものかを伝えてほしい。鍵をなくしてしまったら、空き巣や強盗侵入のきっかけを与えてしまうかもしれないわけですから」と話す。
鍵を持たされた子供は、つい友達に見せびらかしたりしがちだが、「それは1人で留守番をしていることを宣伝しているようなものです」。鍵を持たせたときには「誰にも鍵を見せたらいけないよ」と言い聞かせることも必要だ。
また鍵の保管について、舟生さんは、キーチェーンなどをつけズボンのベルト通しなど衣服につないで、ポケットにしまう方法を推奨する。洋服のポケットにそのまま入れてしまうと落としやすく、特に上着のポケットに入れると脱いだときに忘れがちだ。また、ペンダントのように首からぶら下げる方法は、遊具などにひっかかって首が絞まるリスクもあるので避けるべきだという。
住所や氏名が記されたランドセルの中に鍵を保管するのは、盗まれた場合などに鍵と名前などの個人情報を同時に与えてしまう。不法侵入などの糸口につながりかねないので止めた方がいい。
なお、植木鉢やポストなどに隠しておく「置き鍵」は、「もってのほかです」。「空き巣の犯人は事前に家の下見をするもの。置き鍵は絶対やめてください」と警告する。子供がうっかりと鍵を無くしたり、学校に忘れて帰る、ということも考えられる。舟生さんはそのような場合に備えて、相談できる近所の人や、コンビニ、クリーニング店などを子供といっしょに確認しておくよう勧めている。
「子どもの危険回避研究所」の横矢さんは「防犯対策に終わりはありません。子供の成長や環境の変化に合わせてその都度、親子で最善の対策を話し合い、確認を続けてほしい」と話している。
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■カード、暗証…電気錠が人気
鍵の利便性や防犯性を高める技術も進化している。鍵メーカーでつくる「日本ロック工業会」(東京都千代田区)によると、都心部の新築マンションなどでは、カードや暗証番号などで施錠できる電気錠の人気が高まっている。同会は「コストはかかるが、鍵をかばんから取り出さずに扱える利便性もあり、今後も広まるだろう」とみる。
大手鍵メーカー「ゴール」(大阪市淀川区)でも電気錠の開発を進めている。十数年前のリモコン式を皮切りに、カード型、指紋認証型など次々と電気錠が商品化されている。「電気錠の需要は年々高まっている印象」という。
引用元:
家のカギ子供にどう持たせる? 「置き鍵」はもってのほか…常に身につけしっかり管理 (産経新聞)