佐賀市は、新生児の健康な発育を目指して、誕生から1週間後までの体重変化を、母子手帳に記録できる独自のシール添付を始めた。生後間もない赤ちゃんの体重減少は、低血糖が引き起こしている可能性があるとして、医療関係者は警鐘を鳴らす。

 佐賀市が発給する母子手帳は現在、生後1週間までに計3回分の体重を記入する欄があるが、保護者から記録欄の拡充を求める声が寄せられていた。

 市は、新たに4回分の体重が記録できるシールを、母子手帳の欄外に貼り付けることにした。これで生後1週間の体重を、毎日記録できるようになった。来年度以降も継続する。

 出生直後の体重減少は、新生児に深刻な影響を及ぼす低血糖の可能性も排除できないという。

 久保田産婦人科麻酔科医院(福岡市中央区)の久保田史郎院長は、低血糖による脳障害や低体温症が発達障害の一因と主張する。

 久保田氏は「出生直後に母親に抱かせる『カンガルーケア』や、母乳だけを与える『完全母乳育児』が不注意に実施されれば、低血糖や低体温症を招きかねない。予防の面でも体重記録は重要で、佐賀市の試みに期待したい」と語った。

 7日の佐賀市議会本会議でもこの問題は取り上げられた。江頭弘美市議(政友会)は久保田氏の著書などを引用し、「体重や発育に対しての関心を保護者が持つことは重要だ」などと質問した。市健康福祉部の田中稔部長は「発達障害について、明確な原因は分からないが、予防できるものであれば予防したい。健康管理の一環として、出生からの体重変化を確認できるようにした」と答弁した。


引用元:
佐賀市、母子手帳に独自シール 新生児の体重「毎日」記録(産経ニュース)