“子宮内膜症”とは、何らかの原因によって子宮内膜の細胞が、子宮の内腔以外に発生してしまうようなものを言います。元々は子宮内膜と似た組織ですから、女性ホルモンの作用によって発生した部分の内膜が増殖してしまいます。
基本的に女性器で発生することが多いものですから、部位として卵巣や膣、外陰部にできてしまうこともあります。それ以外にも直腸、腹壁など女性器以外で発生してしまうこともあります。
特に卵巣でこの子宮内膜症が発症してしまうと、チョコレート嚢胞(のうほう)と言う形で存在することがあるために不妊症となってしまう可能性も否定できません。
今回は、予防医学に精通する医学博士の筆者が“子宮内膜症の原因とサイン”についてお話します。
■子宮内膜症になりやすい「女性のタイプと年齢」
子宮内膜は、女性ホルモンの作用によって増殖します。女性ホルモンは、月経の周期にも深く関係しています。ということは、まだ女性ホルモンの影響があまり強くない10代の女性では、子宮内膜症の発症率はあまり高くないとされています。
しかし、初潮を迎えてから、一般的に月経は約400回あると言われていますが、回数を重ねるごとに女性ホルモンの影響を受けるということになり、それに伴って子宮内膜が剥がれ落ちる回数も多くなるため、子宮内膜症になってしまう可能性があると考えられます。ですから、10代よりも20代、30代と年齢を重ねるごとに発生リスクが上がり、40代が最も多いと言われています。
子宮内膜症になってしまうメカニズムは、まだはっきりとわかっておりません。しかし、月経の際に経血として排出されるはずの内膜が逆流するのではないか? と言う話が有力です。
ということは、普段から経血量が多い方や、多くなくても経血の排出が上手くできないという方に発生してしまう可能性も指摘されています。
■ストレスにも気をつけたい!子宮内膜症の原因と妊娠の可否
子宮内膜症の原因については、まだはっきりとわかっておりません。しかし少なくとも子宮内膜自体が女性ホルモンの作用によって増殖するということは分かっていますから、月経不順などがある方や、女性ホルモンの分泌量が一定ではない、女性器関連疾患に罹っている、という方に子宮内膜症が存在するということが考えられます。
また、ストレスが多い方に子宮内膜症が多いというデータもあります。ストレスは自律神経系のバランスを崩してしまうために女性ホルモンの分泌量が一定でなくなってしまうということからそのように言われているようです。
もちろんストレスがない=子宮内膜症にならないということではありませんが、様々な要因が複合して子宮内膜症になってしまうということが考えられますので、女性である限り発生する可能性があると考えてください。
子宮内膜症は発生する部分が多義に渡りますが、特に卵巣で発生しチョコレート嚢胞などを形成してしまうと排卵が困難になってしまうということから、妊娠もしにくくなってしまうと言われています。
いずれにしても、妊娠を望んでいる場合は早期発見・早期治療が必要となりますので、疑われる場合は婦人科において早めの受診・治療を行うようにしましょう。
■下腹部痛と腰痛が同時に来る?「子宮内膜症のサイン」
子宮内膜症にもいくつか分類があります。ごく初期の場合には、自覚症状にも乏しく月経不順などの症状も出てこないために、発見が難しいとされています。別の理由で婦人科を受診したときに、たまたま発見されるというケースもあるようです。
しかし、自然と治るわけではありませんので、やはり徐々に症状が現れてくるようになります。最初に出てくる自覚症状としては、やはり月経不順や月経痛、経血量の増加です。言ってみれば子宮内膜が増えてしまっている状況でもあるわけですから、このような症状が出てくるのは理にかなっています。
また、場合によっては性交痛も確認されています。もしこれまで性交渉を行っているときに特に痛みはなかったのに、ここ最近性交時に痛みを生じてしまうという場合には、疑ってみた方が良いかもしれません。
徐々に子宮内膜症が進んでくると下腹部痛も強くなり、同時に腰痛等も出てきてしまいますので、痛みによって日常生活に支障をきたしてしまうことがあると言われています。また、そのまま放置しておくと、最終的には不妊症となってしまう可能性も否定できませんので、少しでも気になる場合には婦人科で受診するようにした方が良いと考えられます。
いかがでしたか?
繰り返しますが、“子宮内膜症”は自然と治る症状ではなく、早期発見・早期治療が必要となります。少しでも疑わしい症状が見られる場合、我慢することなく、医師に相談しましょう。
引用元:
不妊症になる前にチェックしたい「子宮内膜症」の原因とサイン(It Mama)