40歳以上の出産で心発作、心血管死リスクも上昇

米国心臓学会(AHA)は2月17日、40歳以上で出産した女性ではその後の脳卒中や心発作のリスクが高くなることを明らかにした研究を紹介した。2月16日から米国ロサンゼルスで開催された国際脳卒中学会2016(ISC2006)で発表された。

 本研究は、Women’s Health Initiative Study に登録した50-79歳の女性7万2221人のデータを分析。高齢妊娠女性3306人を対象に、出産から12年間の心血管疾患発症率を若年妊娠女性と比較した。その結果、40歳以上で妊娠した女性は40歳未満で妊娠した女性よりも、虚血性脳卒中リスクが2.4-3.8%高いことが判明。出血性脳卒中リスクや心発作リスクも、それぞれ0.5-1%、2.5-3%高いことが分かった。また、全心血管疾患による死亡リスクも、2.3-3.9%高かった。

 研究者は、高齢女性における心血管疾患リスクの上昇について、「高血圧や糖尿病、高脂血症などの心血管疾患のリスク因子を持つ傾向が強いことでほとんどが説明できたが、高齢妊娠と出血性脳卒中との関連については、既知のリスク因子では説明がつかない」と説明。さらなる追加研究の必要性を強調した。

 さらに研究者は、「高齢妊娠が健康に影響することは知られていたが、最終妊娠年齢が後年の心血管疾患のリスク因子と捉えられたことはなかった」と述べ、高齢出産女性における将来のリスク回避のために、医師に対して血管リスクを注意深くモニターリングし、場合によっては早期介入によって心血管事象を予防する必要性を強調している。



引用元:
高齢出産で将来の心血管死リスク増【米国心臓学会】 (m3.com)